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【経営者が孤独を感じる原因は?】孤独とうまく付き合う「孤独解消法」を徹底解説!

「経営者とは孤独なものだ」とよく言われますが、それはなぜなのでしょうか。一般社員と比べ、経営者は自分の思うような仕事ができて自由度は高そうに思えます。経営者ならではの人脈もあり、社員にも囲まれて、むしろ孤独とは対極にいるイメージさえあるのではないでしょうか。

そのような経営者が孤独を感じる理由と孤独の解消法、孤独との上手な付き合い方について解説します。

経営者が孤独を感じるのはなぜ?

まず、経営者が孤独を感じがちな理由について6点紹介していきます。

最終決定は自分1人に委ねられる

社長専門コンサルタントの第一人者と言われる一倉定氏は、経営者の役割を「決定を下す人」だと称しています。

凡庸な経営者ほど危険を恐れ、人の意見を聞きがちです。一方で革新的で危険を恐れない経営者ほど、1人きりで会社の未来を左右するような決断を下すものでしょう。この孤独感に向き合うのが経営者だと一倉定氏は述べているのです。経営者が孤独を感じるのは、そのポジションゆえに必然でもあるのでしょう。

信頼しても裏切られることがある

経営者というものは、新入社員が誠実に仕事をする人材に育ってほしい、取引先とともに良い仕事がしたいなどと期待するものです。ところが信頼を寄せていた社員に資金を持ち逃げされてしまった、取引先が倒産してしまって入金が滞ってしまったなど、お金の絡む裏切られ方を経験した経営者も少なくないでしょう。

経営に携わる前なら経験しなかった裏切りを、経営者になったことで経験することになり、孤独を募らせていくのです。

社員とは腹を割って話せない

経営者というものは、なかなか社員と腹を割って話せないものです。経営状態の悪いことを知ったら社員が辞めてしまうかもしれない、逆に経営状態の良いことを知ったら、給料アップを迫られるかもしれないと考えたら、腹を割って経営状態について話せないものでしょう。

社員の側からしても、同僚とのように時には職場の愚痴を言い合うような気軽な会話が、経営者とはできません。会社の経営について時には弱みを見せたくても、社員に不安を抱かせないようにと経営者は孤独を深めていきやすいのです。

今までと同様の友達付き合いができない

学生時代は気の合った友人とも、社会人になるとそれまでのような関係が続けられるとは限りません。とくに学生時代の仲間のうち自分だけが経営者だった場合、他の友人たちが職場の愚痴や上司の悪口で盛り上がっている中、「お前は経営者だから自分の好きにできていいな」などと言われることもあるでしょう。

心の支えにもなっていた学生時代の友人さえ、経営者としての気持ちを分かってもらえないことで孤独を感じてしまうのです。

家族にも本音で話せない

家族が経営に携わっていない場合、たとえ家族であっても守秘義務があるため、経営者が会社の実情について家族に話すわけにはいきません。また、業種や事業の状況などによっては、経営者が24時間体制で対応に当たらなければならないこともあるでしょう。

家族に理解を求めても、どうしても家族より仕事優先に映ってしまい、家族内でも孤立してしまうことにもなりかねません。

自由なことが孤独を感じさせる

経営者は、自分で全てを動かせ、全ての決定権を持つ存在です。そのことにやりがいや使命感を得るとともに、時にはこの自由さと同じだけのしかかってくる責任やリスクを重圧だと感じることでしょう。そのような気持ちを分かち合う相手が身近にいないと、孤独感を抱いてしまいがちです。

経営者と社員における価値観の違いとは?

経営者が孤独を感じる理由についてお話してきましたが、根本にあるのはずばり、経営者と社員の価値観の相違です。それではどのような価値観の相違によって、経営者は孤独を感じるのでしょうか。

経営者の価値観とは?

経営者は、たとえ愚痴を言ったとしても人のせいにしたとしても、結果的には全て自分に最終責任がのしかかってきます。たとえ会社のための借り入れだとしても、返せなくなってしまえば経営者が自己破産を余儀なくされることも考えられるのです。

このような重い責任感は、経営者を強くします。人任せ・人のせいにする価値観から、全ての責任は自分にあると考え、自分の成長が社会貢献につながるという価値観へと変容していくのです。

社員の価値観とは?

社員には、最終的な意思決定権はありません。そのため、リスクを負う可能性のある重要な判断は経営者に任せられるのです。もちろん、重要な決定事項を独断で一社員が下すのは問題になるケースも多々あり、多くの社員・経営者と協議の上で決断していくことは大切です。

一方で安易に決定を他者に委ねるのに慣れた社員は、指示待ちになってしまったり、会社より自分個人を大切にするようになり、会社に不平不満を募らせたりします。責任感を持たなくてもいいから会社に満足するのではなく、不平不満を増幅させてしまうという点に、経営者としては注意しなければならないでしょう。

経営者が孤独を感じることで生じるリスクとは?

経営者が孤独を感じることで、次のようなリスクの生じる可能性があります。

メンタル・身体の健康を害するリスク

孤独を感じることでまず考えられるのは、メンタルへの影響です。孤独感は心に大きなストレスを与え、意欲の低下や不安感の増加などを引き起こすことがあります。

メンタルの不調は、睡眠障害や食欲不振などの身体症状にも表れることも多々あるでしょう。さらに孤独の解消されない状態が続けば、適応障害やうつ病といった精神疾患に発展してしまうリスクがあるのです。

メンタルヘルスの不調は自分自身では気づきにくいことが多く、気づいても「自分の我慢がたりないからだ」などと自分を責めてしまい、なかなか認められません。身体の不調が現れて初めて受診した頃には、かなりメンタルの悪化している状態になっている経営者も珍しくないのです。

適切な判断のできなくなるリスク

経営者は、日々大小さまざまな判断を下していく必要があります。適切な判断を下していくことが経営者の仕事だとも言えるでしょう。ところが孤独感を募らせメンタルに不調をきたし出すと、判断力や記憶力の低下を引き起こしてしまうことがあります。

そのような状態の時に相談できる相手もいないと、適切な判断が下せないのも当然でしょう。とくに資金繰りや新規事業などの大きな決断をするのは、リスクの高いことです。

ワンマン経営になってしまうリスク

孤独を感じながら経営をしていると、ワンマン経営になりやすいと言われています。それは人間不信に陥り誰も信じられなくなり、社員に任せるべき仕事も自分で抱え込んでしまうからです。

仕事の方針なども社員と話し合って決定していくのではなく、経営者が独断で決めるようになると、社員の不満はたまる一方でしょう。最悪の場合には社員の退社が相次ぎ、経営が立ち行かなくなってしまう事態も考えられます。

不健康な生活に陥るリスク

孤独感を埋めストレス発散するためにと、暴飲暴食をしてしまったり喫煙本数が増えたりすることも多々あります。無気力な状態が続いて運動習慣もなくなり、運動不足になる人もいるでしょう。そのような不健康な生活が続けば、体調を崩してしまいかねません。

不健康な生活が常態化してしまえば生活習慣病のリスクも高まり、経営のトップでい続けるのが難しくなってしまうかもしれません。

経営者が孤独を軽減させ、孤独と上手に付き合う方法とは?

経営者が孤独を軽減させるとともに、孤独とうまく付き合っていくには次の6つの方法が考えられるでしょう。

夢中になれる趣味を見つける

経営による孤独とうまく付き合うのにおすすめなのが、経営から離れた「趣味」を見つけることです。経営者の趣味として多いものは旅行やゴルフ、読書や音楽鑑賞だと言われていますが、どのような趣味でも構いません。

身体を動かす趣味なら、同時に健康維持や気分のリフレッシュにも効果があるでしょう。趣味に没頭している間は経営のことは頭から消え去り、孤独感も感じないはずです。

孤独をポジティブに変換する

周囲に相談相手のいない1人孤独な時間も、ポジティブに考えれば静かに考え事のできる経営者にとって必要で有意義な時間だとも言えるでしょう。

孤独だ孤独だと思い詰めるほど視野が狭くなり、ネガティブ思考のスパイラルに陥ってしまいがちです。1人の時間もポジティブに変換すれば、孤独な時間も有意義な思考整理の時間にできるはずです。

信頼できるメンターを見つける

ビジネスにおいて、社内外の第三者から助言・指導してもらう「メンター制度」が広まっているのはご存知でしょうか。新入社員などの後輩に対して、経験豊富な先輩社員がメンターとなるケースが多い制度です。それでは経営者は誰にメンターを依頼すればいいのかと言えば、おすすめなのがコーチングのコーチでしょう。

コーチングとは、対話によってクライアントが必要な行動やスキル、知識や考え方を身につけ、目標達成に向けて行動するのを支援する専門家です。このコーチングはビジネスのみならず、スポーツや勉強、親子関係などさまざまな課題の解決を目指すものですが、経営者はビジネス専門のコーチングに依頼すると良いでしょう。

メンターであるコーチに話をするだけでストレス発散につながることも多く、考えが整理され課題の解決へと向かえます。

経営者同士のつながりを作る

人は、同じ境遇同士でなければ分かり合えないことも多々あるものです。境遇や立場の異なる人に話したところで、理解されない・共感されないどころか嫌味だと思われてしまうこともあるでしょう。そこでおすすめなのが、同じ経営者同士との交流です。

知人に紹介してもらったり、地元商工会議所などのセミナーに参加したりすれば、地元で近い境遇にある経営者仲間に出会えることでしょう。このような地元経営者同士のつながりは、孤独感の軽減のみならず、経営ノウハウを学んだり新たな人脈の構築になったりもします。

地元で経営者とのつながりが見つからなくても、経営者の集うオンラインサロンに参加したり、同じ悩みの経営者をSNSで探したりすれば、孤独や悩みを共有できる経営者仲間と出会えるはずです。

ワークライフバランスを改善する

経営者ほど仕事に対するモチベーションが高く、プライベートにまで仕事を持ち込みがちです。プライベートにまで仕事が侵食してしまうことは、仕事で感じる孤独感がプライベートにまで侵食してきてしまうことにつながるのです。

そこで経営者こそ、仕事とプライベートを意識的に区別し、無理やりにでもプライベートには仕事を持ち込まないようにする必要があるでしょう。友人や家族などと交流する時間、趣味の時間などの予定をしっかり組み込んで意識してプライベートの時間を作り出すのです。ワークライフバランスの改善によって、孤独感の軽減が期待できます。

メンタルサポートをプロに依頼する

日本においてはまだまだ、メンタルの不調は「甘え」だととらえられ、カウンセリングを受けるイコール「病んでいる」と思われるからとカウンセリングに抵抗感を示す風潮が根強くあります。孤独を感じる、心身の症状としてもメンタルの不調が現れている場合でも、自分からカウンセリングを受けようとする経営者は、少ないのではないでしょうか。

一方海外では、日本と比べカウンセリングやカウンセラーの存在は身近にあります。そして優秀な経営者ほど、定期的なカウンセリングによってメンタルの不調を未然に防いでいるのです。

日本においてメンタルのサポートを依頼できる専門家と言えば、「公認心理士」や「臨床心理士」といった資格の保有者、またはビジネスパーソンへのカウンセリング経験の豊富なカウンセラーを選ぶと良いでしょう。一人で孤独を抱え込まず、専門家の力を借りるのも経営者として大切な自己管理の1つだと考えるのがおすすめです。

経営者の孤独感を解消するのは「自立型人間」

経営者の孤独を軽減させる方法について紹介してきましたが、仕事上、職場で感じる孤独は解決できないものなのでしょうか。職場で感じる孤独の原因は、社員と経営者の間に生じるギャップが原因でした。それではこのギャップを埋めれば、経営者の孤独感を解消できるのではないでしょうか。

具体的には、社員を「自立型人間」へと育成させることです。社員教育の仕組みを社内に整え、社員教育を行うのです。ここでは、自立型人間育成のステップを紹介していきましょう。

仕事の「目的・背景」を必ず伝える

経営者が仕事を「取ってくるもの」と能動的に考えているのとは異なり、社員は「与えられたものをこなす」という受け身の姿勢になりがちです。

それは仕事内容の単調なのがいけないと思うかもしれませんが、実は仕事の内容には関係ありません。たとえ単調な仕事だったとしても、その仕事の目的や背景を知った上で行えばモチベーションの高い状態で取り組めるのです。この時の目的は、会社の理念とつながるようなものであれば、さらにその仕事に意味を感じられるでしょう。

社員というものは、簡単な仕事・楽な仕事をしたいものだと経営者は考えてしまいがちです。ところが実際は、重要な仕事・やりがいのある仕事をしたいものなのです。仕事を与える際には、その目的や意義を明確に伝えて、社員のモチベーションをアップさせるのが経営者の役割だと言えます。

その際に、全社員にその都度経営者が伝える必要はありません。部署ごとのリーダーに部下へ指示する経験を積ませることで、リーダーの育成にもつながります。

仕事に「型」を作る

中小企業の多くは、仕事の「型」の不明確なことが多くあります。「型」とは、1つの仕事に対する成果物・基準(ルール)・役割・責任の所在を明確にすることです。この型を作るのに時間は掛かるものの、型のないままでは社員の仕事ぶりを管理できません。役割や責任の所在を明確にすることで、社員は手を抜いたり責任逃れしたりできなくなります。

それは、決して悪いことばかりではありません。社員にしっかりとした「自分の役割」を与えて仕事を任せることは、社員のやりがいにもつながるのです。

承認・フィードバックの習慣化

仕事の意義や目的を伝えた上で仕事を与えたら、それで終わりではありません。必ずフィードバックを習慣化するようにしましょう。仕事ができていたら承認するとともに、できていなかった場合にも改善点のフィードバックを与えるのです。

フィードバックの際に大切なのは、社員の人格ではなく仕事そのものについて評価することです。社員の承認欲求を満たすことで、自立型人間へと成長していくことでしょう。

まとめ

経営者にとって「孤独」はつきものではあるものの、孤独を我慢する必要はありません。孤独を感じ続けることによるリスクもあるので、軽減するための対策を試してみると良いでしょう。また、孤独の根源である社員との価値観の違いを埋めるために、社員を自立型人間へと成長させるのも経営者の役割だと言えます。

健全な経営を末永く続けるためにも、一度自分の「孤独」について向かい合ってみましょう。

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