BUSINESS戦略

【改めて考えてみるシリーズ!】あなたはリーダーシップについて本気で考えたことはありますか?

リーダーシップは企業が飛躍するうえで大切です。しかし、リーダーシップの定義は1つではないため、経営陣や管理職はどのようにリーダーシップを発揮するか悩むところでしょう。なによりも、自分の価値や強みに合うリーダーシップを発揮することが大切です。ここでは、リーダーシップの5大理論やリーダーに求められることなどについて解説します。

リーダーシップとは?

リーダーシップとは、目標やビジョンに向かって進むために、組織内で他のメンバーを指導し、方向付けられる能力です。組織が目標を達成するために必要な要素であり、さまざまなコンテキストや状況で発揮されます。

リーダーシップに不可欠な要素としては、組織のビジョンを明確に示せることがあげられます。目標に向けたビジョンを達成するために、チームやメンバーが能力を最大限に引き出せるよう意欲やモチベーションを高める役割です。良いリーダーシップは、個人と組織の両方に多くの利益をもたらします。

リーダーの必要性

組織のメンバーそれぞれが能力を発揮し、業務を遂行するのが理想的です。しかし、効率的に目標を達成するには、組織やチームを統率するリーダーが必要になるでしょう。

リーダーシップによりチームが統率される

リーダーシップを発揮できるリーダーが存在することで、チームの統率力が高まります。人はリーダーに従う性質を持ち、成果を報告するリーダーがいることでより大きな成果があげられます。

リーダーは、必ずしもほかのメンバーよりも経験や知識が豊富である必要はありません。メンバーの強みを理解し、役割と責任を適切に分配できれば、メンバーの自信を高めて効果的にタスクを遂行できます。効果的なアドバイスをしたり、メンバーの資質に合わせた業務を分配したりすることで、リーダーとしての役割を全うできるでしょう。

目的意識が高まる

リーダーが存在すると、目的意識が高まります。リーダーは組織に方向性とビジョンを提供し、メンバーに明確な目標を示します。これにより、メンバーは共通の目的を理解し、個々の行動を目標に合わせられるでしょう。目標が明確であるため、メンバーはより効率的に行動し、組織の目標に向かって協力できるようになります。

価値観を確立

リーダーが組織の中核的な価値観を確立し、明確に伝えることで、組織メンバーは共通の価値観に基づいて一貫性のある意思決定や行動を行えます。また、リーダーが説明責任を果たす姿勢は、組織内の信頼を構築するのに役立ちます。

創造性を高める

組織にリーダーがいることで、組織内の創造性を高めることが可能です。リーダーが明確なビジョンを示すことは、メンバーに向かう方向を示し、創造的なアイデアを生み出す動機づけとなります。オープンで受け入れる雰囲気、アイデアを共有しやすいコミュニケーション手段、自由なアイデアの提供を奨励するポリシーなど、創造性を育むための環境を整備すると効率化や生産性の向上へ繋げられます。

リーダーに求められること

リーダーに求められることは、リーダーシップです。しかし、状況や組織によって求められることは異なるため、状況に応じて柔軟に行動し、必要なスキルや資質を磨いていくことが大切です。

ビジョンと方向性

リーダーは組織やチームに明確なビジョンを提供し、方向性を示す必要があります。組織全体が共感し、目標に向かって協力できるようなビジョンを持つことが重要です。ビジョンを実現するためのステップやリソースを示さねばなりません。

コミュニケーション

リーダーは、コミュニケーション能力を持つことが求められます。メンバーと効果的に意思疎通を図り、ビジョンや目的を伝えるという役割を果たさねばなりません。顧客やクライアントからのフィードバックを受け入れ、適切に対応することも求められます。コミュニケーションを通じて、適切に組織を導いていけます。

意思決定能力

意思決定能力は、リーダーに求められるスキルの中で重要なものの1つです。どのような状況でも、難しい決定を迅速かつ的確に行う必要があります。情報の収集やリスクの評価を行い、最善の判断を下す意思決定能力が求められます。

情熱

リーダーには、情熱も必要です。成功に向かってチームを鼓舞し、モチベーションを維持するために重要な要素の1つです。リーダーが情熱をもってプロジェクトを遂行することで、チームの共感を呼び起こし、メンバーを共通の目標に向かって引き込めます。

指導力

リーダーは指導力を発揮することで、メンバーが共通の目標に向かって進む手助けをします。メンバーの個人的な成長とスキル向上をサポートするなど、指導力を発揮することで、メンバーの潜在能力を最大限に引き出し、効率性を高めることが可能です。

リーダーシップとマネジメントの違い

ビジネスシーンにおいて、リーダーシップとマネジメントは混同されがちです。しかし、リーダーシップは方向性やゴールを示し、マネジメントは目標達成への資源や施策を実行・管理すると定義されます。成功する組織は、適切なバランスでリーダーシップとマネジメントを組み合わせ、明確なビジョンを持ちながら実行していくことが必要です。

目的と焦点

リーダーシップは、ビジョンや目標、方向性に焦点を当てます。リーダーは、他の人々に対して影響力を行使し、組織やチームの方向性を示し、人々を目標に向かわせる役割です。マネジメントは、タスクやプロセス、リソースに焦点を当てます。マネージャーは、タスクの計画や割り当て、監視、評価など具体的な業務を効率的に遂行する役割を果たします。

タイムホライズン

リーダーシップは、長期的な視点に焦点を当てることが多くなります。リーダーは将来の方向性を考え、変化や革新を促進し、組織の長期的な成功に寄与しなければなりません。一方、マネジメントは日常業務や短期的な目標の達成に焦点を当てることが多くなります。マネージャーは、タスクの効率性や実行に集中し、組織の日常運営を管理します。

リーダーシップの5大理論

求められるリーダー像は1つではありません。代表的なリーダーシップのパターンは5つあり、5大理論として知られています。5大理論を踏まえ、自分の価値観や強みに合うリーダーシップを実践すると良いでしょう。

ドラッカーのリーダーシップ論

20世紀を代表する経営学者のドラッカーのリーダーシップ論では、リーダーシップの重要な要素の1つとして、明確な目標を設定し、それに向かって行動することを強調しています。何を達成しようとしているのかを常に明確にし、それに従って行動することが成功の鍵であるという理論です。また、組織やリーダーが成功を評価するためには、結果を測定し、数値化することが重要だと主張しています。測定したことのみ管理できると述べ、効果的なリーダーシップにはデータと情報の活用が不可欠だと提唱しています。

コッターのリーダーシップ論

コッターのリーダーシップ論においては、リーダーシップとマネジメントの違いと、変革のための8段階プロセスを定義しています。コッターは、組織にはリーダーが不足しているうえに、リーダーを育成する方法が間違っていることを指摘しています。多くの組織は、マネージャー向けの育成方法でリーダーを育成しようとしているため、リーダーシップとマネジメントの違いを知ることが重要な課題です。

変革の8つのプロセスは、企業が抱えがちなつまずきを克服するためのプロセスです。
1.危機感を高める
2.変革を推進するチームの作成
3.ビジョンと戦略を立案する
4.ビジョンを周知させる
5.変革の障害を排除する
6.短期的な成功と進捗を実現する
7.成果を活かし変革の実現をする
8.組織全体に変革を定着させる

コッターのリーダーシップ論は、組織内での変革プロセスを段階的に進めるためのフレームワークを提供し、リーダーが変革を成功させるための指針を提供します。8つのプロセスは、組織変革に関わるリーダーやマネージャーに広く受け入れられ、実践されています。

ケン・ブランチャードのリーダーシップ論

行動科学者であり経営コンサルタントでもあるケン・ブランチャードは、リーダーシップ論としてSL理論を提唱しています。メンバーの発展段階や状況に合わせ、リーダーシップのスタイルを変えるという理論です。SL理論ではメンバーの発展段階を評価し、

D1:技術はないがやる気はある
D2:技術もやる気もない
D3:技術はあるがやる気はない
D4:技術とやる気を兼ね備えている

という4つの段階に分類します。メンバーの発展段階に応じて、リーダーシップスタイルを選択する必要があり、具体的なリーダーシップスタイルは、

S1:指導型(具体的に指示し、事細かに監督する)
S2:コーチ型(考えを説明し、疑問に応える)
S3:支援型(考えを合わせて決められるように仕向ける)
S4:権限付与(仕事遂行の責任をゆだねる)

という4つの種類です。D1のメンバーにはS1、D3のメンバーにはS3のように、適切なリーダーシップアプローチを選択して、組織内でのパフォーマンス向上を促進します。

サーバントリーダーシップ論

サーバントリーダーシップ論は、ロバート・グリーンリーフが提唱するリーダーシップ理論です。リーダーがまずチームメンバーのニーズや利益を最優先に考え、そのニーズを満たして信頼を勝ち取ることで、主体的な協力が得られる環境を作り出します。サーバントリーダーが持つべきものは、

・傾聴
・共感
・癒やし
・気づき
・説得
・概念化
・先見力
・執事役
・人々の成長に関わる
・コミュニティづくり

という10の特性です。サーバントリーダーシップは、組織内で信頼と協力を高め、メンバーのモチベーションやエンゲージメントを向上させるのに役立つとされています。メンバーがリーダーのサポートを感じ、自己成長と貢献の機会を持つと、組織全体の成果にポジティブな影響を与えるという理論です。

サイモン・シネックのリーダーシップ論

サイモン・シネックのリーダーシップ論は、人を動かす原動力であるゴールデンサークルという概念に基づいています。ゴールデンサークルは、・Why(なぜ)・How(どのように)・What(何)という、3つの部分で構成されています。

Why(なぜ)は、ゴールデンサークルの中心に位置し、リーダーシップの根本です。なぜ何かをするのか、なぜ組織が存在するのか、なぜある行動やビジョンを持つのかを表します。

How (どのように)は ゴールデンサークルの中間に位置し、なぜを実現するための具体的な戦略や方法論を指します。リーダーシップの実践において、戦略やプロセス、アクションプランなどです。

What(何)はゴールデンサークルの外側に位置し、具体的な製品やサービス、行動、アウトプットなどを表します。成功するリーダーは、(なぜ)を明確にし、その後に(どのように)と(何)を考えるべきです。なぜを明確にし、それに共感する人々を引き寄せることが、組織やリーダーシップの成功を実現する基盤という理論です。多くのリーダーが(なぜ)を重要視し、共感が生まれるビジョンを持つことの重要性を理解する枠組みの提供をしています。

心に刻んでおくべき格言(日本企業の社長)

日本を代表するリーダーが残した格言は、リーダーシップを実行するうえで大きな指針となります。また、大企業のリーダーとしてリーダーシップを発揮してきた人物のビジネス哲学を垣間見られるでしょう。

「一所懸命と一生懸命」 パナソニック(松下電器)創業者 松下幸之助

経営の神様とも呼ばれた、パナソニックの創業者松下幸之助の格言は、「一所懸命と一生懸命」です。今与えられた仕事に打ち込めないなら、どこの職場に行っても良い仕事はできません。与えられた仕事を、一生の仕事のように一所懸命に頑張る姿勢を持つことで、一生懸命になれて人からの信頼を勝ち取れます。世界的に飛躍する企業を創業し、多くの従業員を育てた人物の格言は、重みがあります。

「失敗は成功への近道」 HIS社長 澤田秀雄

失敗はネガティブにとらえられがちですが、HISの澤田社長の格言は「失敗は成功への近道」です。後から失敗を振り返ると、その失敗が大きな成功につながっていることが多いと述べています。ビジネスに失敗はつきもので、失敗したことがないビジネスパーソンはいません。失敗した時こそ、その失敗が成功への踏み台だと再定義し、早く立ち直るのが成功へのカギです。

「人間評価からはじまり、人間評価において終わる」 ホンダ創業者 本田宗一郎

日本を代表する自動車メーカー、ホンダの創業者である本田宗一郎の格言は、「人間評価からはじまり、人間評価において終わる」です。どれほど仕事ができても、人間的な評価が悪いとダメだと述べています。リーダーは、頭が良くて仕事ができても、人間的な魅力がなければ部下はついていきません。人間評価が高い人に、多くの人がついていくのです。人間評価を上げることは難しく、一生の仕事として取り掛かる必要があります。人間的に成長していくことで、魅力も少しずつ高まっていくでしょう。

「どういう哲学を持って仕事や人生にのぞむかが一番大事」 京セラ創業者 稲盛和夫

京セラの創業者で、JAL再生で会長に就任した稲盛和夫の格言は、「どういう哲学を持って仕事や人生にのぞむかが一番大事」です。人生の方程式は「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」で、良い考え方をして誰よりも努力をすることが、結果につながると述べています。能力は高いに越したことはありませんが、高い能力が間違った考え方で使われると、大きな問題を起こしてしまいます。良い考え方が必ず成功するわけではありませんが、間違った考え方で仕事をするよりは良い結果を残せるでしょう。

「原理原則は失敗から生まれる」 ファーストリテイリング社長 柳井正

ファーストリテイリング社長であり、世界的な資産家でもある柳井正の格言は、「原理原則は失敗から生まれる」 です。赤ちゃんが、何度転んでも立ち上がり、やがて歩けるようになっていくように、人間には失敗しても成功へ向かって挑戦し続ける欲求があります。ビジネスにおいても、辛いからやめてしまうのか、辛さを次のチャンスをつかむための原動力にするのかという、どちらの選択肢を採るかで未来が変わります。失敗して痛い思いをしても、先へ進むために行動の原理原則を打ち立てることが、明るい未来へとつながるでしょう。

まとめ

リーダーシップにはいろいろなスタイルがあり、自己認識を高め、自分の強みや弱みを理解することで自分自身に合うリーダーシップの方向性が明確になります。また、リーダーシップは終わりのない学びのプロセスです。スキルや経験の積み重ね、人間的な魅力を獲得することで確立されていきます。自分自身のリーダーシップスタイルを発展させ、組織やチームの成功に貢献するために努力と学習を続けていきましょう。

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