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【わかりやすく解説】人材不足が起こる4要因とは?慢性的な人材不足解消方法はこれ!

今、多くの企業が深刻な人材不足に陥っていることはご存知でしょうか。慢性的な人材不足に陥ってしまっていると、もはやなぜ人材不足が起こるのか、どう解消したらいいかさえ分からなくなっているかもしれません。

人材不足の原因としては、人口減少などの社会的要因が真っ先に思い浮かぶかもしれませんが、企業内の問題も存在します。そこで今回は、人材不足が起こる原因や、人材不足解消の手立てを徹底的に解説していきましょう。

人材不足の現状とは?

帝国データバンクが2021年に発表したデータによると、日本における正社員不足率は43.8%に上っていると言われています。つまり、深刻な人材不足に陥っている企業が多いのです。人材不足に陥ると、それまでできていた業務をこなせなくなり、売り上げの増加も見込めません。

持ちこたえられない企業は、倒産してしまう恐れも十分あります。また、人材不足だと現在いる社員の負担が大きくなり、労働環境が悪化して離職してしまう人材が増えるという悪循環に陥っている企業もあるでしょう。

人材不足が起こる要因とは?

まずは、人材不足が起こる要因について解説していきます。社会的要因のほかに、どのような要因があるのでしょうか。

社会的要因

社会的な要因としては、日本における労働人口の減少が挙げられます。2000年の15~63歳の人口が約6270万人だったのに対し、2040年には4970万人となると予測されています。つまり1300万人もの減少が予測されているというわけです。人口減少は企業の努力によって改善できるものではない、社会的要因だと言えるでしょう。

職場環境要因

社会全体での労働人口の減少とは別に職場単位で人材不足が起きている場合、職場環境が要因となっているケースがあります。職場としての魅力に欠けると離職率が高くなると同時に、新入社員も入らないことから人材不足が起こるのです。

魅力に欠けるとは具体的にはどのような理由があるのでしょうか。1つ目には、社内における人間関係の悪さが考えられます。また、自分の仕事ぶりに対する評価が低いことにより、モチベーションが上がらない人も、もっと自分を評価してもらえる職場を求めて転職してしまうことが考えられるでしょう。

どんなに努力しても評価が上がらない、さぼっている人の方が高い給料をもらっている、上司の主観で評価される、評価の制度自体が無いなどの場合は注意が必要です。さらに職場の騒音がひどい、暑い・寒い、休憩室がない、更衣室が無いなどといった環境の悪さももちろん人材不足の要因となるでしょう。とくにIT化が遅れていることに対し不満を持つ従業員も多いものです。

業務量・待遇要因

待遇要因としては、「賃金・待遇が良くない」ことが挙げられます。仕事を探す際の条件として、経済的に安定できる安心感を得られるかどうかを1番に考える人が多いのはご存知でしょうか。賃金の良さは大きな魅力だというわけです。

また近年では、仕事だけに忙殺されるのではなく、ライフワークバランスの取れる職場が人気です。育児休暇や介護休暇、時短制度などの待遇が整っていなければ、従業員を大切にしている企業だとは見なされないでしょう。

業務量の多さから、従業員の心身過労を招いているような職場も魅力に欠けるでしょう。とくに作業の効率の悪さ、長時間の会議、昔から変わらぬ慣習やルールなどは、長時間労働の要因になりがちです。そのような職場は従業員が疲弊している割に労働生産性が上がっていないことがほとんどです。

採用要因

採用自体を失敗してしまった、求める人材が確保できないなどの理由から、人材不足になる可能性もあります。採用の失敗とは、採用したものの自社の求める人物像とかけ離れていたことになるのです。

具体的には能力や資質、保有などが求めるレベルを満たしていない人材を採用してしまったことになります。または採用者側からしても、労働条件などで思っていた環境とのギャップがあった場合に、企業側とのミスマッチが起こり、退職率が高まってしまうでしょう。

近年ではDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進による業務の効率化が企業の課題となっており、対応できるIT人材を採用したいと考えている企業も多いはずです。そのため専門性の高い人材は競争率が高く、採用難易度が高まっているのです。

さらに人材不足の一因として、採用後の人材育成が進まないことも考えられます。仕事について熟知したベテランがいたとしても、若手に継承していかなければゆくゆくは仕事のできる人材が不足してしまうでしょう。マニュアルを整備し、後進を積極的に育成しなければなりません。

人材確保の5つのステップとは?

人材不足の中にありながらも、人材確保をしていくための5つのステップを解説します。

経営課題の見直し

 

まずは原点に立ち返り、自社の経営課題を見つめ直しましょう。

経営課題解決の方策を検討

見つかった経営課題の解決に当たって、業務の見直しとともに、経営課題解決の方策を検討します。

求人像・求人方法の明確化

経営課題の解決や経営目標の実現のため、必要な求人像を明確にします。人材の採用方法についても、新規採用に限らず外部から調達したり、社内での登用や育成なども検討したりして、幅広く柔軟に考えましょう。

求人・採用・育成

実際に人材を得るための求人・採用・登用・育成などを行います。

人材の定着・活用のためのフォローアップ

人材を採用して終わりではなく、社内で活躍できるようなフォローアップを行い、定着を図ります。具体的には、能力開発や職場環境の改善などです。

人材不足解消のための10の手立てとは?

人材不足を解消していくための10の手立てを紹介します。できるところから着手してみましょう。

外部人材の活用

「外部人材」とは、フリーランスや副業人材など、会社の組織からは独立している人材を指します。組織内の人材不足、組織内では解決できない課題などの際に外部人材を活用する企業が増えていることはご存知でしょうか。

正社員を雇う場合には、給与はもちろん、福利厚生費や法定福利費といった人件費が多くかかります。また、一度雇用すれば解雇するのは難しいでしょう。一方で外部人材なら、繁忙期のみ委託したり特定業務のみ委託したりといった、柔軟な有期契約が叶のです。また、社内の人材とは異なる視点が加わることで、社内のイノベーションにつながることもあるでしょう。

給与・待遇の見直し

従来までの終身雇用の考え方が希薄になり、現代では能力を正しく評価し給与に反映してくれる企業を求めて転職していく動きが見られています。そのような理由での人材の流出を防ぐには、給与・待遇面の見直しが必須になるでしょう。

給与を高くすればいいというだけでなく、重要なのは適正・平等に評価してもらっているか、成果に応じた昇給が用意されているか、昇格制度が明確かどうかという点です。自分の頑張りが適正・平等に評価され、昇給していくチャンスがあることが分かれば、モチベーションもアップすることでしょう。

職務内容の見直し

業務量が過多の状態が続くと、集中力の低下や疲労の蓄積などの心配があります。さらに自然と能力のある人に仕事が集中してしまうようになり、優秀な人材の流出につながってしまうことも多々あるのです。業務内容について「効率」と「生産性」があるかどうか可視化して社内共有するとともに、定期的に見直しをして業務効率を高めていきましょう。見直しについては専門のコンサルティング会社もあるので、依頼し定期的に見直してもらうことも可能です。

ITツールの導入も積極的に行いましょう。社内におけるIT化が進めば作業効率が上がると同時に、従業員の負担を減らして働きやすい業務環境も実現するのです。具体的には、AIやRPAなどの導入により、自社の業務工程を自動化することが考えられるでしょう。

たとえば、手作業で行っていた取引先への請求書の発行作業をRPAで自動化することで、短縮できた時間を新企画の構想を練る時間に使えるようになります。また、有給休暇取得に当たって必要部署への承認フローがあるなら、その工程自体を簡略化または撤廃する、社内での書類の押印を廃止するなど、より将来性のある業務に注力できるような工夫や見直しが必要です。

福利厚生の見直し

「働き方改革」によって、働くことに「安心感」を強く求める労働者が増えています。求職者も大部分が、給与だけでなく労働条件や福利厚生についてもリサーチの上で企業に応募しているというのです。福利厚生とは具体的には、次のようなものがあります。

・扶養手当
・家族手当
・住宅手当
・時間外手当
・超過勤務手当

上記の手当はなるべく用意するようにし、用意できない際にもなぜなのか理由を説明できるようにしておきましょう。また、企業独自の制度や補助をプラスすれば、独自の魅力をアピールできます。

職場環境の見直し

職場環境で最も重要なのが、職場の人間関係でしょう。「整理整頓」「挨拶」「悪口を言わない」の3点を全社員に徹底すれば、職場の人間関係は自然と良くなると言われています。そのような職場の組織風土改善の策を、社内報などで積極的に発信していくことで意識改革を図っていきます。また、社員旅行や歓迎会、他部署とも交流できるランチ会などその企業ならではのユニークな企画で、職場の親睦を図るのも有効でしょう。

また、働きやすい環境づくりとして、空調や休憩室・更衣室など従業員の快適さを整備するのは最低限のことです。さらに近年では新型コロナウィルスの流行によって「新しい生活様式」が浸透してきており、職場環境にも取り入れる必要が出てきています。

予想以上に新型コロナウィルスの流行が長期化していることから、感染防止の対策をはじめ、リモートで仕事できる環境もしっかり整備していく必要があるでしょう。それに伴い、勤怠の管理、情報の管理、セキュリティ対策も万全にしていく必要があります。

採用のミスマッチを減らす

3年以内に離職する従業員が多い場合、採用のミスマッチが起こっている可能性が高いと言えます。求人募集や広告の出し方、内容を見直す必要があるでしょう。また、求人を出す前に「自社に合う人材」「自社が求める人材」について根本的に見直し、採用担当者間で共通認識を図るのも大切です。

採用方法についても見直していきましょう。いつの間にか増員することだけが目的になっていたり、多くの求人媒体に出稿して満足していたりしがちです。自社が求める人物像を明確にしたら、長所だけでなく短所も含めた企業・組織の現状を伝えて求人を行うことで、企業と新規採用者の双方のギャップが減らせるはずです。

労働条件の見直し

フルタイムでの勤務が当たり前の企業も、今一度労働条件を見直してみましょう。たとえばフレックスタイムや時短勤務など柔軟な勤務形態を取り入れた方が働きやすく、労働効率も上がるかもしれません。また、有給休暇の規定や取得のしやすさ、副業を可能にするかどうかも、再度検討してみましょう。

教育・人事制度の見直し

新規に雇用するのが難しくても、現在いる社員の能力やスキルを今以上に引き出せれば、従業員の意欲向上にもつながるでしょう。会社への忠誠心や愛着も高められ、企業側にもメリットが大きいと言えます。新人研修で終わりにするのではなく、定期的な研修やキャリアアップの支援制度、リカレント教育(学び直し)の制度を充実させましょう。

人事制度についても、明確な人事評価基準を定めてクリーンな評価を行うことが大切です。そして、それに基づき適切に評価を行い、評価に基づいた人材配置を行うのです。

雇用形態にバリエーションを持たせる

フルタイムや正社員にこだわらず、外部人材をはじめとしたさまざまな雇用形態を導入する柔軟性も大切です。アルバイトやパート、業務委託など雇用形態にバリエーションを持たせることで、人材の確保がしやすくなるでしょう。

多様な人材の採用

従来人材の採用といえば新卒者を対象にするのが中心だったものの、それでは人口の減少と同時に対象者数も減少してしまうのが必然だと言えるでしょう。今後はより多様な人材に目を向けていく必要があります。

たとえば65歳のシニア世代は増加傾向にあり、働く意欲のある人が多いので雇用しやすいと言えます。知識や経験も豊富なので、それを生かせる雇用形態を考えるのも手でしょう。「65歳超雇用促進助成金」という助成金のサポートも受けられます。

シニアと同様、働きたいと考えている女性の雇用もおすすめです。出産や介護を機に離職してしまったものの能力の高い人材は、フルタイムでの復帰は難しくても業務委託や短時間勤務なら働けるケースも多いものです。

国内の労働人口が減少しているのとは対照的に、日本国内における外国人労働者は年々増加しており、今後も増加し続けると見込まれています。また、従業員45.5人に1人は障碍者を雇用しなければならない旨が「障碍者雇用促進法」に定められています。外国人や障碍者など、言葉でのコミュニケーションが難しくてもできる業務内容で、力を発揮してもらうことを検討してみるといいでしょう。

人材不足の解消に「兼務」の導入もおすすめ

人材不足の解消の手立てを紹介してきましたが、最後に「兼務」についても紹介します。

「兼務」とは?

兼務とは、従業員が本来の部署での職務とは別の業務を兼任することを言います。そうすることで、本来新たに採用しなければならない人材が不要になるというわけです。

ただし事前に勤務シフトをしっかり組み、作業マニュアルをしっかり作成するなどの準備が必要です。準備が無いまま導入してしまうと、従業員の仕事量が増えて作業効率が低下するほか、従業員の不満も溜まってしまうでしょう。兼務は、万全の準備の下で導入するべき手立てだと言えます。

兼務で得られるメリットとは?

兼務で得られるメリットは、業務の担い手が企業内から得られること以外にもいくつかあります。繁忙期で忙しい部署に一時的に兼務の従業員を増員することが可能になるので、繁忙期に残業や休日出勤をするのが常態化している部署の多忙を解消できます。繁忙期の人員が足りないからといって繁忙期をベースに求人してしまっては、従業員数ばかり膨らんでしまうのです。

また、本来の業務においてどうしても生じてしまう空き時間を別の業務に充てることで、無駄な時間を失くすメリットもあります。何もしない時間は、労働者にとっては案外苦痛なものです。さらにさまざまな部署の業務を兼務してみることで、それぞれの従業員の適材適所を見極められるのもメリットでしょう。

兼務を実施するための準備とは?

兼務のシステムを導入するに当たって、準備は万全に整える必要があります。具体的には、従業員が本務と兼務先を行き来するようになるため、従業員が抜けた状態でも業務が滞らないよう作業フローやマニュアルを用意することです。また、常に本務と兼務先との調整が必要になるので、フレキシブルに働けるシステムも必要でしょう。

まとめ

一口に「人材不足」と言っても人口減少などの社会的要因だけでなく、要因が企業にある場合もあります。その場合には、企業の努力によって改善していくことが可能だと言えるでしょう。求人数が伸びなかったとしても、求人方法を変えたり、今いる従業員の力を伸ばしたりといったことが考えられます。求人者や従業員にとって魅力のある企業である努力も必要でしょう。

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