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【改めて考えてみるシリーズ】ヒューマンエラーが起こる原因とは!防止はできるの?!

ビジネスを進めるにあたって、何らかのミスが発生する可能性はゼロにはできません。その中でも今回紹介するヒューマンエラーは、人間に起因するミスを指します。

ヒューマンエラーを見てみると、発生する主要な原因がいくつかあります。今回は主な原因と防止するための対策について解説しますので、参考にしてみてください。

ヒューマンエラーとは

ヒューマンエラーとはその名の通りで、人間が引き起こすミスのことです。人間は不完全な生き物なので、どうしても起こりうることです。しかし一方で、時として企業に大きな損失を与えかねないリスク要因でもあります。

不可避なヒューマンエラー

ヒューマンエラーはどれほど注意していても起こりうる問題です。なぜなら人間は基本的にかならずミスを起こす生き物だからです。何かを覚えたり認識したりする中で、思い違いや思い込みをしやすい生き物といわれています。

しかしヒューマンエラーから学習できます。なぜヒューマンエラーが起きたのかの原因を追及することで、今後の業務フローを見直し改善も可能です。また過去のヒューマンエラーを社内で情報共有することで、同じようなミスを回避できます。

ヒューマンエラーは2種類に分類できる

ヒューマンエラーの事例はあまたありますが、大きく2種類に分類できます。それは過失によるものと故意によるものです。前者はいわゆるうっかりミスによるものです。疲れや焦りなどから注意散漫になって、ミスの見落としや処理ミスが起きるなども考えられます。また新人など知識もスキルも未熟で、入力や操作を誤ることによって発生するミスも含まれます。

一方故意によるものとは、やるべきことは理解していたけれどもそのルールを守らずに作業して、ミスを引き起こすタイプです。納期まで時間がなくて本来やるべき工程を省いてしまう、面倒なので社内で決められたルールを守らないなどがあげられます。

機械のトラブルはヒューマンエラーではない

ヒューマンエラーに関して誤解されるものとして、機械トラブルがあげられます。機械の問題は人間に起因したものではないからです。またマニュアル通りに行っていてミスが起きた、よくよく調べてみるとマニュアルそのものが間違っていた場合も、ヒューマンエラーには該当しません。ただしマニュアルを自社で作成した場合、これはヒューマンエラーです。マニュアルを作成していた時に検討やチェック体制に不備があったためです。

ヒューマンエラーが発生する主な原因を紹介

ヒューマンエラーについて分析を進めると、いくつか主要な原因があることがわかります。もしヒューマンエラーが発生したのであれば、以下に該当する要因がないかまずは検証しましょう。

不注意

ヒューマンエラーの中でもしばしば見られる項目です。作業のポイントを見落としてしまう、確認を徹底していないことで発生するミスです。不注意を引き起こす要因もいくつか考えられます。まずは疲労による注意力低下です。長時間労働など、従業員に過度の負担をかけるとどうしても疲れがたまって、注意力も散漫になりがちです。

また単純労働を続けていると、注意力低下が起こりやすいといわれています。慣れから無意識のうちに集中力が低下してしまい、ミスが発生する仕組みです。

不注意によるヒューマンエラーは、ベテラン従業員でも起こりうる事象です。加齢に伴い記憶力や認識力が低下し、うっかりミスをしてしまうかもしれません。この手のミスを防ぐためには、複数人体制で作業に当たり、何重ものチェック体制を構築してみるとよいでしょう。

認知ミス

認知ミスとは、いわゆる誤った思い込みから発生するヒューマンエラーです。仕事に対して先入観や固定観念などを抱いてしまって、実はその人の勘違いだったというパターンになります。しかも無意識で思い込んでいることも多く、なぜ勘違いしてしまったのか当人もよくわからないというケースも珍しくありません。

この手のミスは、新人に多く見られます。業務に関する知識や経験が不足していて、自分なりに作業を進めた結果、ミスが起こる流れです。知識不足や経験不足によるミスを防ぐためには、繰り返し業務をさせ慣れさせることが重要といえるでしょう。

近道行動

生産性や効率性を追求することで、本来やらなければならないプロセスを省いてしまうことによるヒューマンエラーです。「省略行動」とも呼ばれます。

近道行動や省略行動が起こるのは、ノルマなどできるだけ多く清算しなければならないなどがあげられるでしょう。従業員に精神的なプレッシャーを与えることが要因といわれます。生産性を高めることももちろん大事ですが、コンプライアンスの徹底も同時に重視しなければなりません。

連絡不足

従業員同士のコミュニケーションがうまくいっていなくて、情報共有していないことで発生するヒューマンエラーのひとつです。チームなど複数人で業務に取り組む時に発生しやすいので、注意が必要です。

コミュニケーションを密に取れるように、社内SNSやチャットなど手軽に意思疎通の取れるツールを導入するなどで対処しましょう。

場面行動本能

場面行動本能とは、マルチタスクを行っている時に考えられるヒューマンエラーです。ひとつの物事で手いっぱいになっていて、周囲のことが見えなくなり大事なことを見落として起きるミスを指します。

とくに新人でまだ業務に慣れていない従業員が起こしやすいミスなので、注意しなければなりません。

パニック

想定外の事態が起きる、過度のプレッシャーがかかるとヒューマンエラーも発生しやすくなるので注意してください。パニック状態になると、冷静な時には正しく判断できるものもできなくなります。

場合によっては普段では考えられないような、ミスを犯してしまうことも考えられます。特定の作業にはどのようなリスク要因があるかあらかじめ評価し、その時どう対処すべきか検討するとよいでしょう。

マニュアルの問題

社内で作られているマニュアルや手順書の管理が甘いと、ヒューマンエラーを引き起こす可能性があるので注意してください。とくに作業内容に変更があった時には注意しなければなりません。作業内容が変更されたにもかかわらず、マニュアルや手順書を改訂しないケースはしばしば起こります。結果作業員が現行前のままで作業してしまい、ミスを誘発するわけです。

環境

作業場の環境によって、従業員の注意力が散漫になってヒューマンエラーを引き起こす場合があります。たとえば暑かったり寒かったりすると、身体的な不調で注意力散漫になりえます。さらに作業場が暗いとよく見えずに確認不足を招きかねません。騒音がひどければ、従業員同士の意思疎通が円滑に行われず、思わぬ誤解が発生するでしょう。

もしヒューマンエラーが頻発しているようであれば、職場環境に何らかの問題が生じているかもしれません。いったん職場の環境をチェックし、改善できるポイントはないか確認してみましょう。

ヒューマンエラーを再発させないための対策

ヒューマンエラーはゼロにはできないかもしれません。しかし対策を講じることで、再発防止も可能です。ヒューマンエラー対策のために、以下で紹介するポイントを見直してみるとよいでしょう。

マニュアルの見直し

同じところでヒューマンエラーが複数起きている場合、マニュアルに何かしらの問題が発生しているかもしれません。たとえばマニュアルが変更されているのに改定されていない、内容がわかりにくいなどの要因が考えられます。

マニュアル通りに作業しているのにミスがなくならなければ、作業員がマニュアルに合わせることで何らかの無理が生じているかもしれません。無駄な作業で集中力がそがれている、何か実施しにくい作業が含まれているなどの問題が起きていないか、見直しましょう。

マニュアルを見直すにあたって、現場の作業員の意見にも耳を傾けてみるといいでしょう。そうすれば作成者側の想定していなかった問題点が、見つかる可能性もあるからです。また文書だけではわかりにくいかもしれません。動画にまとめて、ビジュアル的にわかりやすくまとめるのも一考です。

職場環境の改善

環境に問題があれば、さっそく環境改善に努めてください。とくに取り掛かりやすいのは、整理整頓の徹底です。職場が散らかっていると、どうしても気になってしまって目の前の作業に集中しにくくなります。

また四季に合わせて室温や湿度管理を進めるのも一考です。冷暖房を常に適温になるように調整する、シーズンごとに制服や作業着を変えるなどの対策が考えられます。

風通しのよい企業風土に改革する

ヒューマンエラーの再発防止には、社内でミスの内容を共有することが何よりも大事です。ところが部下が上司に対してミスを報告しにくい状況だと、なかなか共有は進みません。上司がミスを犯した部下に対して必要以上に叱責しないよう、教育を徹底しましょう。

こうしてネガティブな情報でも報告しやすい、風通しのよい職場づくりを進めることも大事です。ヒューマンエラーがどこでどのように発生したのか、情報共有しやすい環境の整備を進めましょう。

ヒューマンエラーをリスト化する

どの企業でも過去に何かしらのヒューマンエラーが発生しているはずです。その過去のミス事例をリスト化して、社内で保存しておくことも有効な対策といえます。ミスのリスト化で重要なのは、大きなミスだけでなく些細なミスもしっかり保存しておくことです。些細なミスでもそれを放置していたら、もしかすると大きな問題に発展していたかもしれません。

ただ「こういうヒューマンエラーがあった」だけ記載したのでは、不十分です。ミスが発生した原因を分析し、今後どのような対策を講じるかもまとめておきましょう。

フールループの採用

フールループとは、ヒューマンエラーを発生させないための工夫を指します。フールループできる作業はないか、一回見直してみるとよいでしょう。たとえばパソコン作業は、業種関係なく必須でしょう。パソコン作業で注意しなければならないのが、入力ミスです。

そこで入力ミスした時に直ちにエラー表示できるシステムを構築できれば、ミスをそのままにして作業を進めるような心配もなくなります。また複数が同時にログインすることでエラーになるなら、複数人が同時にログインできないシステムを取り入れることでも、ミスを防止できます。

従業員への徹底した教育

ヒューマンエラーに関する、従業員への徹底した教育を実施することも大事です。社内でヒューマンエラー対策をしっかり進めたとしても、従業員がそのことを理解していなければ元も子もありません。とくに従業員のリテラシーが高められるような、研修プログラムを導入するとよいでしょう。

そのためには体系立てて、わかりやすく教育する体制を整えることが重要です。実例を踏まえたうえで説明をすれば、従業員もわかりやすいでしょう。研修で実践的なプログラムを取り入れることで、頭だけでなく体で理解させるような体制を構築するのもおすすめです。

また従業員に対して、利益ではなく安全最優先を伝えることも大事です。ヒューマンエラーの中には大きな事故に発展し、怪我などの身体的な危険の伴うものもあります。安全の最優先が最重要であることを、教育プログラムの中に忘れず盛り込むよう心がけましょう。

危険性の高い業務を自動化する

ヒューマンエラーの恐ろしいところは、ミスした場合大きな事故に発展する恐れのある点です。もし作業員が事故によって大けがするリスクがあれば、その部分はシステム化してしまうのがおすすめです。そうすれば従業員を守れます。

加えて、システム化すれば、作業効率性も高まります。確かに機械などを導入するにあたって、初期コストとしてまとまった投資が必要かもしれません。しかしロングスパンで見れば、従業員の怪我防止につながり、作業の確実性も向上するのでメリットの方が大きいでしょう。

KY活動を導入する

KY活動を導入するのも有効な対策のひとつです。KY活動とは「危険予知活動」のことで、安全に関する教育カリキュラムを定期的に行う活動を指します。作業を始める前に作業員の間で作業に関する想定できる危険性やどこが危険なのか、その個所について情報交換します。

ただ話し合いをしただけでは不十分です。危険なポイントに関して作業員同士情報共有した後で、対策や目的を明確にしましょう。また危険防止対策として、指差し呼称がおすすめです。厚生労働省ではKY活動に関する資料を公開しています。その中には指差し呼称のやり方について紹介している項目があるので、参考にしてみるとよいでしょう。

指差し呼称のやり方について簡単に紹介すると、まず目は確認対象をしっかり見ましょう。そして右手の人差し指で対象を指します。左利きの方は、左手の人差し指でもかまいません。対象を指さして「○○ヨシ!」といいましょう。電車の運転手がこのような指差し呼称をしているでしょう。こちらを参考にして実践してみてください。

コミュニケーションを強化する

社内のコミュニケーションを活発にするのも、有効な対策のひとつです。情報共有がスムーズに行くからです。そのためにはデジタルツールを徹底活用するとよいでしょう。伝達方法としてチャットツールを利用すれば、伝達対象者のいるところまで移動する必要がありません。ファイルはクラウドで共有することで、自分のタイミングで文書の中身を確認できます。

また風通しのよい雰囲気を職場全体が対策することも、検討してみましょう。たとえば朝出社したら挨拶するように周知徹底することがあげられます。またバーベキューやスポーツなどを通じて、普段あまり接点のない社員とも、話をする機会を設けるのも一考です。

ヒューマンエラーはゼロにできない意識の徹底

大前提として、「ヒューマンエラーはゼロにすることは不可能である」という意識を、社員同士で持つことも大事です。これまでさまざまな対策を紹介しました。確かにこれらの施策を実践すれば、ミスの発生頻度は少なくできるかもしれません。しかしゼロにもできないのが現実です。

皆さんも心当たりはあるかもしれませんが、どれほど気を付けていても失敗することはあります。そう考えて、どれほど手厚く対策しても安心はできないといった意識を持ちましょう。できうる対策はすべて講じて、できるだけうっかりミスの発生しないような環境を常に改善して、作り上げることが大事です。

まとめ

ヒューマンエラーといわれると、問題を起こした従業員個人の問題と考えられがちです。しかし実際には職場をはじめとした、周りの環境そのものに問題の元凶のあるケースも珍しくありません。

ヒューマンエラーはどれほど気を付けて、対策を講じても完全になくすことが難しい問題です。しかしそのことを認識したうえで、ミスを少しでも低減できるような取り組みを講じましょう。

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