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経営計画の立て方で気を付けることとは?計画の重要性とポイントを解説!

会社をせっかく立ち上げても、倒産の憂き目に遭うケースも少なくありません。「起業して10年経過したらそのうちの9割の会社は倒産してしまう」という話もあるほどです。なぜ会社が倒産するのか、理由はいろいろとあります。その中でも多い理由として、行き当たりばったりの経営をしているからが挙げられます。ノープランの経営は行き詰まりやすいので、経営計画をあらかじめ策定しておくことは大事です。

そこで今回は3~5年の計画である、中期経営計画の作り方について解説します。経営計画立案にあたって気を付けるべきことについても紹介しますので、参考にしてください。

中期経営計画を立てる重要性について解説

「中期経営計画を立てましょう」といってもその重要性を理解していなければ、なかなか真剣に検討できないでしょう。中期経営計画を立てることは、企業にいろいろなメリットをもたらしてくれます。まずはその重要性について見ていきましょう。

企業の現状把握が可能

中期経営計画を立てるにあたって、今自分たちがどこにいるのかがわかっていなければなりません。現在地がわかっていなければ何を改善すればいいのか、目標をどこに設定すればいいかわからないからです。経営計画を立てるにあたって、自分たちの現状抱えている課題が明確になります。

課題が明確になれば、今後何を目指せばいいかもはっきりしてくるでしょう。内部の問題だけでなく、ライバル企業とのシェアなど外部要因も分析するといいでしょう。業界内における自分の立ち位置が見え、頭を整理するためにも経営計画の立案は欠かせません。

目標が明確になる

中期経営計画を策定するにあたって、具体的な数値を設定するのがおすすめです。「いつまでにこれを達成する」と設定すれば、そこから逆算して今何をすべきかが見えてくるからです。その他にも具体的な目標値があれば、そのために原材料をいくら調達すればいいのか、従業員を何人確保すればいいかも明確になります。目標達成までの道のりがはっきりするので、現場への落とし込みも円滑に進められるでしょう。明確な目標があれば、従業員のモチベーションアップにも寄与するはずです。

具体的な目標がなければ、倒産の主な要因の一つである行き当たりばったりの経営になりかねません。中長期のビジョンがなければ、今何をしたらいいか企業が迷子になるでしょう。そうならないためにも、中期経営計画を作る必要があるわけです。

目標を共有できる

経営者の頭の中に今後の具体的なビジョンがあっても、それが従業員と共有されていなければ、経営者の思うように会社経営できません。目標を共有するためにも、中期経営計画という目に見える形で今後の道程を提示する必要があります。

経営計画を作ることで、役員や従業員と今後何をすべきかが共有されます。また実際に計画を形にすることで、経営者の頭の中も整理できるのも策定すべき理由の一つです。中期経営計画を策定するにあたって、経営者の独断ではなく、周りの社員を巻き込むのもおすすめです。

社員と協力して立案することで、「会社のために何をすればいいか?」について従業員がおのおの考えるようになります。従業員ここで能動的に考える習慣が身につくため、現場も経過創意工夫するようになるわけです。

中期経営計画の作り方は?策定の手順について解説

中期経営計画とは、3~5年程度のスパンで策定するのが一般的です。企業の将来に関して、大まかな方向性は経営者などの頭の中にあるでしょう。その方向性に向かって進められるように、具体的な実行計画を策定するのが中期経営計画の狙いと考えてください。

ミッションを考えよう

企業ミッションを具体的に指示していなければ、まずはミッションについて検討してください。ミッションとはかいつまんでいうと「会社が社会の中で何をやりたいか?」です。ミッションは会社の存在意義に直結する重要な項目です。今後の会社の指針になり、中期経営計画にもつながっていくものなので慎重に検討したほうがいいでしょう。

ミッションを提示することで、従業員のモチベーションアップにも寄与するでしょう。結果的に行動力を刺激し、生産効率性の向上も期待できます。

経営理念を明確に

経営理念がなければ、まず理念を明確にしてください。先ほどのミッションを受けて、ビジョンとバリューを考える工程です。ビジョンとは、企業が今後どうなるべきかの姿です。「5年後には現在の売上の1.5倍にする」といった数値目標を設定するといいでしょう。

一方バリューは企業の価値観を指します。社員が経済活動するにあたって、基準となる行動規範に当たるものです。中期経営計画の最終的な目標は、この経営理念を実現するために作られます。経営理念が抽象的なものにとどまっているのであれば、一度見直してみるといいでしょう。

現状把握する

ここで、自社の現状を分析してみましょう。会社に関する具体的データを集めて分析すれば、現在地が見えてきます。決算書のほかにも、従業員数や構成比率、事業部ごとの販売力や開発力など全般的に数値を分析することです。

分析すれば、企業の強みや弱みなども具体的に見えてきます。強みは伸ばしていく必要がありますし、弱みを克服するためにはどのような目標を掲げるべきかはっきりするでしょう。自社の現状が、中期経営計画を立てるにあたってのたたき台になるはずです。

現状把握するにあたって、会社データの内部要因だけで検討するのは不十分です。企業を取り巻く環境に関する分析を進めたほうが、総合的な現状把握が可能になります。市場規模や成長性、ライバル企業の現状などを分析する形です。

ビジネスドメインの策定

現状がはっきりしたところで、ビジネスドメインを検討しましょう。具体的には「どこに向かって事業展開するか?」や「今後どの事業に重点を置くべきか?」に対する回答を用意する工程です。このとき現状把握が役立ちます。自分たちの強みがどこで、その強みを最大限発揮するためにはどの事業により多くのリソースを費やせばいいかがわかるからです。

慢性的な赤字体質により経営面で苦戦している企業を見てみると、経営理念とかけ離れた事業に手を出す傾向が見られます。ただ単に人気でも受かりそうだからと手を出したけれども、企業に該当するリソースが不足しているのでうまく機能しないわけです。

数値目標の設定

ビジネスの今後の方向性が明確になったところで、具体的な数値目標を設定しましょう。数値設定はビジョンの達成から逆算して、達成するためにはリソースがどこでどのくらい必要かを検討すれば妥当な数字が出てくるはずです。

またビジョン達成のために、各部署が何をしなければならないかもこのステップの中で検討してください。そうすれば、従業員それぞれが何をすべきか明確になるからです。何をすればいいかがはっきりすれば、従業員のモチベーションの向上も期待できます。

経営計画を共有する

中期経営計画が具体的に固まったところで、経営計画発表会など経営者が自分の言葉で従業員に説明する場を設けることです。経営計画について従業員に直接伝えることで、企業を今後どこに持っていきたいのか共有できるからです。ここでポイントになるのが、経営者のプレゼン力になります。

「中期経営計画で会社をここまで持っていきたいので、ぜひとも皆さんに協力してほしい」と熱意を伝えましょう。従業員に自分のこれからやりたいことについて、はっきり伝えられれば、従業員も積極的に協力してくれるでしょう。多少時間をかけても、プレゼンでどのようなことをいうべきか検討してください。

行動計画を策定する

中期経営計画を立てても、現状のリソースでは実現できないものであれば、いわゆる「絵に描いた餅」になってしまいます。そうならないためにも、適正な計画なのか一度確認してみてください。無理のある計画になっていないか、抽象的な目標にとどまっていないかチェックしましょう。

実現性の低い計画にならないために、中期経営計画を立案したら、それに合わせた行動計画も検討してください。つまり中期経営計画を実現するためには、従業員がどのように行動する必要があるか検討するわけです。もし自社の従業員がとてもではないができないものであれば、経営計画の数値目標を見直すべきです。

サブの計画を用意する

中期経営計画は場合によっては複数のプランを立てるのも必要になるかもしれません。現在、経済を取り巻く環境は不確実性と不透明性に満ちている状況です。世界情勢が刻々と変化していて、世界経済で大きなうねりが起こりつつあります。すると当初検討されていた中期経営計画通りに企業運営が機能しない可能性もあります。

そこで当初策定されていた中期経営計画の前提が崩れた場合のために「プランB」や「プランC」を用意しておきましょう。そうしておけば、あらゆる事態が今後起きた場合でもその事態に対してフレキシブルに対応できるでしょう。ただしプランBやプランCは従業員に公表する必要はありません。そのようなことをすれば、むしろ従業員が混乱してしまうからです。本筋の計画だけを提示して、想定外の事態が起きた場合のためにサブのプランを用意しておきましょう。

中期経営計画立案で気を付けるべきこととは?

せっかく中期経営計画を立案しても、それが会社の現状とかけ離れたものであれば、うまく機能しません。時間をかけて策定しても、ほぼ意味を持たないものとなってしまいます。中期経営計画が意義のあるものとするために、気を付けるべきポイントについていくつかピックアップしてみました。策定の際の参考にしてください。

現場レベルと十分コミュニケーションを取る

中期経営計画が実行性のあるものとするためには、現場レベルにその内容を正しく理解してもらう必要があります。現場のリーダーが計画を正しく理解できれば、それを日々の業務に反映できるよう具体的なタスクに変換できるからです。現場の状況や従業員の能力は経営陣よりも各部署のリーダーが詳しく理解している点を忘れてはなりません。

そこで中期経営計画を策定するにあたって、各部署のリーダーにも相談するといいでしょう。また経営陣が気付かないような現場の課題や問題点が、リーダーと話し合うことで見えてくる場合もあります。中期経営計画は建物の設計図で、その設計図に基づき現場で指揮を執るのがリーダーです。よって現場の責任者とは十分に話し合うことが大事です。このとき、いつまでにどこまで達成しなければならないか、期限も明示するのも忘れないでください。

PDCAサイクルを回すこと

中期経営計画を立案して、従業員に周知徹底すればそれでおしまい、ではありません。計画通りに企業が機能的に回っているかどうか、検証する必要があります。もし計画通りに機能していなければ、当初の計画になんらかの問題があるからでしょう。問題のある個所が見つかれば、修正して現状に合わせていきます。

この作業の際に覚えておいてほしいのが、PDCAサイクルです。Plan(計画)とDo(実行)、Check(評価)、Action(改善)の4つの工程によって構成されています。中期経営計画を策定して、それを現場で実践してもらいます。そして進捗状況がどうか確認して、必要に応じて計画内容に修正を加える、一連の作業です。

現場の進捗状況はこまめにチェックするといいでしょう。そうすれば、計画通りに進んでいない状況も早期発見できます。早期発見・早期対策できれば、大きな問題が起こりません。また当初の計画通りにステップを踏めます。

PDCAに関する検証は、月1回くらいのペースで進めるのがおすすめです。会議の中では経営計画の進捗状況や数値目標の達成度について、確認してください。思うように進んでいない部分があれば、問題の原因を特定しましょう。問題が発見されれば、問題解決するにはどうすればいいか対処法を検討してください。

即応できる体制を整備する

中期経営計画を策定しても、その通りに行かない可能性もあります。とくに不確実性の高い現代社会の場合、計画立案時に想定していなかった事態が起こることも十分考えられます。そこでスピーディにデータを入手できる仕組みづくりを検討してください。いち早くデータを入手できれば、将来どのようなリスクが起こりうるのかもより早く発見できます。

不確実性が高いので、3~5年後でも正しく将来を見据えるのは難しいでしょう。そこで中期経営計画を立てるにあたって、そこまで綿密なものを事前に立案する必要はありません。計画の中で想定していなかったことが起こった場合、適切に対処できなくなります。

これからの会社経営では、想定外のことが起きた場合のためにすぐに対応できる体制づくりが求められます。スピーディかつフレキシブルな組織づくりを意識してください。そのために必要なことは、組織内で密なコミュニケーションを心がけることです。常日頃から話のできる環境を整備しておけば、何か起きたときでもチームとしてスピーディに対処できるでしょう。

矛盾のない経営計画を立てる

中期経営計画を策定するにあたって意外な落とし穴になりうるのが、計画の中に矛盾点が起きてしまう点です。たとえば目標達成するためには、1日当たりこれだけの販売個数を確保しなければならない、けれども今の営業リソースでその個数販売するのは無理といった矛盾点です。目標値と現実との間で矛盾が発生していないか、検証しましょう。

あまり目標値を高く設定しすぎてしまうと、矛盾が生じたりどこかで無理がかかったりする可能性があります。矛盾点が見つかったら、目標値を下げてみましょう。目標値を調整しても難しそうであれば、ほかのアプローチで戦略を立てていくといいでしょう。

効率化にこだわらない

中期経営計画を立てるにあたって、効率化をあまり重視しないほうがいいでしょう。コンピテンシートラップが起きる危険性があるからです。公立かを重視すると、現在収益の挙げられている事業に傾注しかねません。もちろん今手掛けている事業を深掘りしていくことは、企業の成長につながるのは確かです。

しかし長く活動し続けるためには、新しい製品やサービスの開発も欠かせません。現在の事業でいかに大きな利益を挙げるかに執着しすぎるあまり、イノベーションにおろそかになると企業の成長がどこかで頭打ちになってしまうかもしれません。現在の事業に今まで以上に力を入れることも大事ですが、イノベーションも企業経営で欠かせないものであると理解しておきましょう。

まとめ

中期経営計画は、3~5年のスパンで企業運営の方向性を定めるものです。会社の現状や業界動向を適切に分析して、身の丈に合った経営計画を立てましょう。また経営計画を立てたらおしまいではなく、策定時に想定できなかった事態に遭遇するかもしれません。その時々に対応できるように、フレキシブルな組織づくりを心がけることも忘れないでください。

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