顧客の増やし方がわからないと悩んでいる場合には、エモーショナルマーケティングが有力な選択肢といえます。こちらは顧客の感情に訴えかけることを主目的としています。自社の売り方と顧客の感情がマッチをすれば、商品の取引につながるでしょう。
今回は感情のマーケティングに興味がある方のため、基本的な定義ややり方などを解説します。これを読んで顧客の心のつかみ方を学び、実践してみましょう!
エモーショナルマーケティングとは何か
エモーショナルマーケティングとは、お客さんの気持ちをターゲットにした手法です。顧客が商品を選ぶときは、ニーズとウォンツが基準になります。このうちウォンツをとらえるのが感情的マーケティングです。
たとえばサプリメントひとつをとっても、宣伝方法により印象が変わるでしょう。疲労回復や健康維持などのメリットを訴えるのは、ニーズに訴えるやり方です。一方で特定の有名人が使っているという宣伝方法は、顧客の憧れを刺激します。こうした手法こそがエモーショナルです。
エモーショナルマーケティングで活かしたいメリット2つ
エモーショナルマーケティングには、2つのメリットがあります。固定客の定着につながる可能性だけでなく、購買意欲を刺激しやすい面があるのです。それぞれの詳細を見ていきましょう。
固定客の定着につながる
エモーショナルマーケティングも、固定客の定着につながるでしょう。お客さんの感情と、商品を売りたいという事業者側の思いのマッチングが大切です。これが成功すれば、顧客がリピーターになるかもしれません。
以上の達成には、商品のよさをアピールするだけでは不十分です。特典や割引などのサービスとセットでうまく宣伝しましょう。加えて商品開発への参加やSNSでの宣伝機会も意識してください。企業活動にお客さんを参加させる機会を与える形です。これにより優良顧客は企業のファンとして、販促活動に協力してくれるでしょう。
このようにお客さんを喜ばせたり、買いたいという感情を刺激したりする取り組みも重要です。ここから企業に感銘を受け、固定客になってくれる方がいるかもしれません。
購買意欲を刺激しやすい
エモーショナルマーケティングは、お客さんに商品を買わせるきっかけになります。人間の潜在意識にある欲求を刺激すれば、サービスに共感してもらえるからです。顧客側の欲求と商品の魅力が絡み合えば、売り上げ向上につながるでしょう。
たとえばインフルエンサーマーケティングは、購買意欲の刺激を目的とした手法とされます。SNSで人気の人物が商品を宣伝し、彼らのファンが商品を買ってくれる可能性があるからです。
人脈に恵まれているなら、インフルエンサーの協力を取り付けましょう。影響力のある人物の協力も、販促戦略の一部だからです。
エモーショナルマーケティングで注意すべきデメリット2つ
エモーショナルマーケティングでは、次の2つのデメリットに気をつけてください。万人受けの難しさや、顧客感情のつかみづらさです。それぞれの詳細も確かめましょう。
万人受けが難しい
エモーショナルマーケティングで難しいことに、万人受けが挙げられます。誰かの心を動かすには、ターゲットとなる購買層を決めなければなりません。その人たちにとっての、刺激的なキャッチコピーやビジュアルを伝えることが大切です。
万人受けしたい場合は、あたりさわりないメッセージになることがあります。ただそれだと大勢が興味を示さないおそれがあります。以上から刺激的な宣伝手法の成功には、購買者の人間像を具体的に決め、それに近い人物の心をつかみにいきましょう。
エモーショナルマーケティングでは、ターゲットの入念な選定と、それに合わせた積極的な表現が重要です。
顧客の感情を察した商法は難易度が高い
エモーショナルマーケティングのように、顧客の感情を揺さぶる宣伝手法は、難易度が高いとされます。感情は数値化も可視化もできません。宣伝方法で動かせる感情が、実際の顧客からズレるおそれもあります。その場合はまったく売り上げを出せないリスクさえあるのです。
顧客の感情に訴える形でファン層を得るには、長期的な運用が必要です。事業者がお客さんの心理を理解するには、時間がかかるおそれがあります。売り上げが軌道に乗るまでに、資金ショートしない取り組みも大切です。
早めに成果を得たいなら、商品のビジュアルやキャッチコピーにインパクトを与えましょう。インフルエンサーの協力を得る選択肢もあります。少しでも早く成果を上げるために、エモーショナルマーケティングのポイントを適切に選んでください。
状況別エモーショナルマーケティングの手法
エモーショナルマーケティングは、ビジネスのさまざまな場面で使えます。ここでは広告のキャッチコピーや営業プロセス、キャラクター、商品パッケージの4つにスポットを当てました。それぞれに合わせて、理想のマーケティングを考えてください。
広告のキャッチコピー
広告のキャッチコピーは、エモーショナルマーケティングに使える典型例です。顧客の感情に訴えかけるには、相手に問いかけたり、想像させたりするものを考えましょう。
相手から買いたいという感情を引き出すには、魅力のアピールだけでは不十分かもしれません。「〇〇しますか?」「〇〇したいあなたへ」など、お客さんを指すようなフレーズを選んでください。
たとえばカルビーのお菓子である「かっぱえびせん」は、「やめられない とまらない」というキャッチコピーで有名です。一度食べたらクセになることをアピールしています。スナック菓子を楽しみたいというお客さんの感情をつかんだ好例でしょう。
このようにお客さんの生活場面を想像させたり、心当たりを浮かび上がらせたりするようなキャッチコピーが重要です。
営業プロセス
営業マンもエモーショナルマーケティングを使ってみましょう。営業成績を上げるには、商品を買ってもらわなければなりません。そのときに相手の心のつかみ方がわかれば、成績が上がるでしょう。
営業プロセスにおけるマーケティングでは、まず顧客に話させることが大切です。その際は、顧客の悩みや課題をメモしてください。適切な解決方法を提案し、お客さんに商品への興味を示してもらうためです。
以上の手法なら、相手は問題について会話を進めているうちに、営業マンを信頼するでしょう。そこで商品をアピールすれば、お客さんの感情をつかむ可能性があります。以上から営業マンは、顧客の心理に訴えかける手法を覚える方が、好成績につながるでしょう。
キャラクター
キャラクターもエモーショナルな宣伝手法になります。愛されるキャラクターで、ファンの共感を引き出せるからです。
たとえば「ゆるキャラ」が代表例です。こちらは地域や商品のPRに効果的とされます。顧客が愛らしい見た目を好めば、それに乗じて商品を買ってくれるかもしれません。
このように新しいキャラクターを作れば既存顧客層だけでなく、新しい層の取り込みにも役立ちます。
商品パッケージ
商品パッケージのインパクトは、エモーショナルマーケティングに使えます。イメージがわかりやすければ、顧客の感情に訴えやすいからです。
たとえば商品のイメージをビジュアルで表現する際は、一目でお客さんの心をつかむことが重要でしょう。視覚的インパクトから、顧客を買いたい気持ちにさせてください。近年はSNSの映えを意識したパッケージも見られます。
商品の見た目は第一印象につながるため、パッケージによるアピールはエモーショナルのうちです。
まとめ
以上、エモーショナルマーケティングの定義やメリット、デメリット、状況別の使い方をまとめました。顧客の心のつかみ方がわかれば、商品の売り上げを伸ばせるでしょう。お客さんの心理を知るのは簡単な作業ではありませんが、一度コツがわかれば、業績向上に役立ちます。
商品の売り上げが伸び悩んでいるときは、顧客の心をつかむ仕掛けが足りないのかもしれません。そこでエモーショナルマーケティングを取り入れれば、お客さんから見た企業のイメージが変わるでしょう。