今回はいつものTHE マーケティング的な話とは趣旨を少し変えて『NFT』という今話題のトピックをご紹介したいと思います。
そもそもNFTをご存じでしょうか。なんとなく言葉だけは聞いたことがあるかとはお申います。「NFT化したデジタルアート作品が何百万円もの値段で売れた」、「子どもが書いた絵にも驚くほど高い値段がついた」そんなニュースが流れていますが、実際にどのようなものかはよくわからないという方も多いでしょう。ここでは、そんな今話題のNFTのメリットや注意点、活用例などを解説します。
NFTとは
NFTとは「Non-Fungible Token(非代替性トークン)」の略称。仮想通貨にも使われるブロックチェーンという技術を用いることで、デジタルデータに偽造できない鑑定書や所有の証明書を持たせることを意味します。そのため、コピーや無断転用されやすく資産的な価値が生まれにくいデジタルデータのオリジナルを証明し、唯一無二のデータとして守れます。
NFTのメリット
NFTのメリットは以下のような点が挙げられます。
1.デジタル作品のオリジナル性を証明できる
2.デジタル作品に、資産的な価値を持たせられる
3.NFTは誰でも簡単に作成と販売が可能
4.作品の転売などの二次流通後も著作者にお金が入る
デジタルデータはスクリーンショットや画像・動画保存などで簡単にコピーされてしまいます。そのため、オリジナルの画像であることを証明することが難しく、一意性のある販売が困難な現実でした。
しかし、NFTの導入によりコピーや転用でないことが簡単に証明できるようになったため、誰でも簡単に一意性のあるデジタルアート作品などの作成や販売が可能になりました。
また、一般的に一度売れた作品はその後の流通があっても著作者に料金が支払われることはありません。一方、NFT化された作品は二次流通以降も著作者にロイヤリティを支払う設定があるのもメリットです。
NFTの注意点
多くのメリットがある一方で、NFTを利用する際には以下のような注意点が挙げられます。
1.法制化されていない
2.著作者に無断でNFT化される恐れがある
3.手数料が取引によって変わる
まず、NFTは今までなかった価値が生まれづらかったものに価値が付与された点で非常に革新的です。しかし、新しい取引をめぐる権利関係や手続きの方法がまだまだ周知されていません。そのため、トラブルが発生しやすいという一面があります。
たとえば、まだNFT化されていない作品を著作者に無断でNFT化して販売するという問題があるとしましょう。そのような知的財産権を侵害する作品を購入してしまった場合には、その作品は無価値になってしまう恐れがあります。
そのため、NFT化された作品を購入する際には当該のNFT作品の見極めや購入のメリット、利用方法や利用可能な範囲などをマーケットプレイスの利用規約などでしっかり確認する必要があります。
また、NFTの発行は主にイーサリアムというブロックチェーン上で行われます。イーサリアム上のNFTの取引にはガス代といわれる手数料が発生します。このガス代はイーサリアムの送受があったときやNFTの売買、NFTの発行などの何かしらの取引があったときに発生するのです。イーサリアム上の取引が多ければ多いほど高くなりますが、そのガス代の高騰が問題視されている現実もあります。
NFTの活用例
NFT作品の幅は多岐にわたり、今後も増えていく可能性があります。ここではNFTの活用例として3つ解説します。
デジタルアート
デジタルアートは、パソコンやタブレットなどを用いて作られたアート作品です。イラストや絵画はもちろん、動画、ゲームなど幅広いジャンルの作品が存在します。NFT化の利用でもメジャーな利用方法で、多くの方がデジタルアートのNFT化を利用しています。
トレーディングカード
トレーディングカードは、もともとコレクション性の高いものでした。しかし、NFTの登場により更にコレクションする楽しみが生まれました。代表的なものにはアイドルのトレーディングカードやミュージシャンのトレーディングカードなどがあり、ファンにとっては非常に希少価値の高いコレクターアイテムになったといえるでしょう。
音楽
NFTは音楽界でも注目されており、多くの有名ミュージシャンがNFT化した音楽を作成しています。今までは音楽の不正販売を防ぐために仲介業者を介する必要がありました。しかし、ユーザーと直接やりとりできるので手数料以外の金額を自分の利益にできるようになりました。
NFTをより勉強するためには
NFTは新しく生まれた技術なので、まだまだ学ぶ場は少ないでしょう。そのため、自分で学べる場を見つけていくのが大切といえます。NFTをより勉強するためには主に次のような方法が考えられます。
まず1つ目は、販売されている書籍の購入です。まだ種類は少ないようですが、NFTの基礎を学びたい方には最も向いている学習方法となります。(ただし、日々情勢が変わっているため、出版された時期に注意しましょう)
2つ目はニュースサイトです。NFTはまだまだ話題の技術なので、何かしらの情報を得られる可能性があります。そのため、世間の動向にも敏感になれるでしょう。
3つ目はSNSなどの活用です。SNSにはNFTに詳しい人が多くいて、そうした人が発信した情報を見て学ぶことも有効です。また、直接質問して聞いてみるのもいいかもしれません。
まとめ
今まで価値の生まれなかったものに新しい価値がついたことで、さまざまなことに利用できる可能性を生んだ技術がNFTです。NFT作品の作成や販売自体は誰にでもできるものなので、イラストや写真、音楽に造詣が深い方はぜひNFTを作ってみるのがおすすめです。
ガス代の高騰や無断のNFT化など問題もありますが、今後もNFTの市場は拡大を続けていくことが予想されます。NFT市場の動向を察知するためにも継続して学んでいくことが重要になります。