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【2023年最新】中小企業が今活用すべき4大補助金はこれ!!

2022年から2023年にかけて、日本の産業界を取り巻く環境はまた大きく変化しつつあります。最低賃金の引き上げや、インボイス制度の導入も広く知られているでしょう。さらにだいぶ終息したとはいえ、新型コロナの問題も完全に払拭できたわけではありません。

このような時代の大きな変化の中で、中小企業の中にはコストがかかり厳しい経営を強いられているケースもあるでしょう。そんな中小企業が活用してほしいものとして、今回紹介する補助金制度があります。

今回は、中小企業が活用すべきおすすめの補助金について、詳しく解説します。

ものづくり補助金

2013年に作られた補助金制度で、2023年7月28日には16次締め切りの公募要項が掲載されています。大規模かつ高額な設備投資を行う中小企業をサポートするために導入されました。従来は申請枠が一つしかなかったのですが、申請枠が新規に作られその内容も拡充しています。

ものづくり補助金とは

中小企業や小規模事業者を対象にして、試作品やサービス開発などで設備投資する際に支援するための補助金です。日本国内に本社や補助事業の実施場所のある会社が対象です。資本金や常勤従業員数に上限が設けられていますが、業種によってその数は異なります。

たとえば、製造業や建設業、運輸業や娯楽業の場合は、資本金3億円・常勤従業員数300人以下の企業が対象です。サービス業と小売業の場合は、資本金上限は5,000万円です。しかし、常勤従業員数の上限が異なり、サービス業100人に対し小売業は50人以下の事業所が対象となります。

ものづくり補助金の限度額

補助限度額ですが、通常枠・雇用拡大枠(回復型賃上げ)デジタル枠・グリーン枠・グローバル展開型の4つに分けられます。補助率や補助限度額は以下のとおりです。

・通常枠:補助率2分の1、補助上限額100万円から1,250万円(従業員の数によって変動あり)
・雇用拡大枠:補助率3分の2、補助上限額100万円から1,250万円(従業員の数によって変動あり)
・デジタル枠:補助率3分の2、補助上限額100万円から1,250万円(従業員の数によって変動あり)
・グリーン枠:補助率3分の2、補助上限額100万円から1,250万円(従業員の数によって変動あり)
・グローバル展開型:補助率2分の1(小規模企業者や小規模事業者は3分の2)、補助上限額1,000万円から3,000万円

グリーン枠の補助率は3分の2です。しかし限度額はタイプによって異なります。エントリー類型は750〜1,250万円、スタンダード類型は1,000〜2,000万円、アドバンス類型は2,000~4,000万円が限度額です。

過去の事例について

ものづくり補助金を使った事例は、数多くあります。たとえば、あるカフェではクッキー生地を使って、食べられるコーヒーカップを開発しています。

また、寝具店では寝心地を計測するセンサーを店舗に導入しました。その結果、店舗売り上げを伸ばすことに成功した事例もありました。

設備投資を検討しているのであれば、こちらの補助金制度を有効活用し、設備の拡大を検討するといいでしょう。

【公式サイト】ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
事務局:全国中小企業団体中央会

IT導入補助金

IT導入補助金も2023年に実施されている補助金制度です。2023年7月31日までは前期事務局、8月1日以降は後期事務局の方で申請受付を行っています。その名の通り、ソフトやアプリなどをビジネスのために導入するにあたって、そのコストを支援するための補助金です。

IT導入補助金とは

IT導入補助金とは中小企業や小規模事業者が売り上げアップや生産効率性の向上のためにITツールの導入を促進するための制度です。コロナ禍によって不要不急の外出を控えるようになり、リモートワークを導入する企業も増加しています。その需要の高まりによって2022年には申請枠や類型を追加したり、補助対象を拡充したりするなどより利用しやすい制度設計になりました。

IT導入補助金では通常枠とデジタル化基盤導入枠、セキュリティ対策推進枠と3つの枠で募集を行っています。通常枠にはA類型とB類型、デジタル化基盤導入枠では商流一括インボイス対応類型とデジタル化基盤導入類型、複数社連携IT導入類型にさらに細分化されています。

デジタル化基盤導入枠の商流一括インボイス対応類型で大企業も応募できますが、それ以外は中小企業や小規模事業者等が対象です。

補助率と補助上限額について

IT導入補助金の補助率と補助上限額は、枠や類型によって異なります。通常枠・セキュリティ対策推進枠・デジタル化基盤導入枠の3つに分けられます。それぞれの対象経費は以下のとおりです。

・通常枠:ソフトウェアの購入・クラウドの利用料・システムの導入に関係する費用
・セキュリティ対策推進枠:サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト(独立行政法人情報処理推進機構により公表)に掲載されているサービスの利用料
・デジタル化基盤導入枠:ソフトウェアの購入・クラウドの利用料・システムの導入に関係する費用

補助率や補助上限額は以下のとおりです。

・通常枠:補助率2分の1、補助上限30万円から150万円未満(B類型の場合は150万円から450万円以下)
・セキュリティ対策推進枠:補助率2分の1、補助上限5万円から100万円
・デジタル化基盤導入枠:補助率4分の3(5万円から50万円以下の場合)、補助上限5万円から50万円、もしくは50万円から350万円

まず通常枠ですが、ソフトウェアの購入費用やクラウドの利用費用などを対象にしています。デジタル化基盤導入類型は、用途によって補助率や補助上限額が変わってきます。

まず会計や受発注、決済、ECソフトを導入する場合です。50万円以下で補助率は4分の3、50万円超の場合は3分の2が上限です。ただしこちらの用途の場合、補助上限は350万円となっています。パソコンやタブレット導入、レジや券売機の導入は補助率2分の1です。しかし補助上限額が異なり、パソコンやタブレットなどの場合10万円、レジや券売機の場合20万円が上限となります。

複数社連携IT導入類型の場合、デジタル化基盤導入類型の対象経費の場合デジタル化基盤導入類型と同じ形で補助金が支給されます。セキュリティ対策推進枠は補助率の上限は2分の1です。補助上限額は5〜100万円です。

ただしこちらの枠を利用するためには、独立行政法人の情報処理機構が公表している「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されているサービスのうち、いずれかを利用しなければならないので注意してください。

過去の事例について

具体的な事例について、こちらもご紹介します。業務用食品の卸売会社が新たにネット通販をスタートさせるにあたり、ECサイトを立ち上げることになりました。この時IT導入補助金を利用することにより手出しが少ない形でサイト作成ができ、これまで顧客が業者相手のみだったのが個人顧客の新規開拓につなげられました。

そのほかにも製造業が作業工程の記録をデジタル化する際に、IT導入補助金を活用した事例があります。デジタル化したことで、作業効率が向上したそうです。

とくにおすすめなのが、デジタル化基盤導入類型です。過去の採択率を見てみると、80%を超えるようなものもあるといわれています。IT導入補助金を活用したいと思っているのであれば、デジタル化基盤導入類型で利用できるものはないかチェックしてみるといいでしょう。

【公式サイト】令和4年度第二次補正予算「サービス等生産性向上IT導入支援事業費補助金」
事務局:TOPPAN株式会社

事業再構築補助金

だいぶ生活面での制約がなくなったとはいえ、コロナ禍は長期化していて現在でも影響の出ている業種もあるでしょう。コロナ禍で経営状況の悪化した企業を対象に提供している補助金制度が、事業再構築補助金です。

事業再構築補助金とは

事業再構築補助金とは中小企業などが新分野展開する、業務転換するなど事業再構築するにあたって、その資金を補助するための制度です。コロナ禍を経て、従来のビジネスモデルが通用しなくなる場合も出てきました。そこでビジネスモデルを転換して、生き残りを図る中小企業を支援するために導入された制度といえます。

事業再構築補助金は4つの類型に分類できます。新市場進出・事業転換・業種転換・事業再編の4類型です。補助金制度の対象は業種によって異なります。

たとえば建設業や製造業、運輸業の場合、資本金3億円・常勤従業員数は100人以下が対象です。ゴム製品製造業やソフトウェア業・情報処理サービス業も資本金3億円以下が対象ですが、常勤従業員数の上限が違います。ゴム製品製造業は900人なのに対し、ソフトウェア業・情報処理サービス業は300人以下が対象です。

補助率と補助上限額について

事業再構築補助金は2023年7月時点で申請類型として8種類ラインナップしています。類型によって補助率や補助上限額は異なります。成長枠の場合、中小2分の1・中堅3分の1が補助率です。上限額は2,000万円と4,000万円、5,000万円、7,000万円の4タイプが設けられています。

グリーン成長枠も中小企業は2分の1、中堅企業は3分の1が補助率です。上限額はエントリーとスタンダードで異なります。エントリーは4,000万円と6,000万円、8,000万円の3タイプ、中堅は1億円です。スタンダードの場合中小1億円、中堅1億5,000万円までは上限です。

卒業促進枠は成長枠・グリーン成長枠に準じた補助率、補助上限額となります。大規模賃金引上げ促進枠は中小企業は2分の1、中堅企業は3分の1の補助率で、3,000万円が上限額となります。産業構造転換枠は中小企業が3分の2、中堅は2分の1が補助率です。補助上限額は2,000万円・4,000万円・5,000万円・7,000万円のいずれかが適用されます。最低賃金枠の場合、中小企業が4分の3、中堅企業は3分の2が補助率になります。上限額は500万円と1,000万円、1,500万円のいずれかです。

物価高騰対策・回復再生応援枠の補助率は中小企業の場合は3分の2、中堅企業の場合は2分の1です。上限額は1,000万円と1,500万円、2,000万円、3,000万円のいずれかが適用されます。

補助率ですが、一部中小企業の場合は4分の3、中堅企業の場合は3分の2が認められる場合もあります。サプライチェーン強靭化枠は中小企業の場合が2分の1、中堅企業の場合は3分の1が補助率です。上限額は5億円となります。このようにどの枠に申請するかで、補助率や補助上限額が変わってくるので注意しましょう。

過去の事例について

事業再構築補助金は次号計画を作成し、再構築のための取り組みをサポートする性格の補助金です。このため、自由度は比較的高いといえます。

実際の事例を見てみると、菓子メーカーがレトルト食品のOEMを始めるにあたって導入したり、医療介護向けの見守りカメラの開発のために補助金が交付されたりしています。企業の規模や枠によっては1億円を超える補助金が受けられるようになります。もちろん一定の基準はありますが、かなり魅力的な補助金制度といえるでしょう。

【公式サイト】中小企業等事業再構築促進事業
事務局:株式会社パソナ

小規模事業者持続化補助金

名前の通り、小規模事業者を対象にした補助金です。豪雨災害や新型コロナウイルスの流行などを経て、従来と比較して使い勝手のいい制度になっています。補助金額は少額ですが、申請手続きが手軽にでき、補助対象の範囲が広いので使い勝手は良いと言えるでしょう。小規模の事業を営んでおり、基準に当てはまる方は、積極的に活用しましょう。

小規模事業者持続化補助金とは

小規模事業者持続化補助金は小規模事業者向けの販路開拓などの取り組みをサポートするための補助金制度です。小規模事業者とは、業種ごとに定義が決められています。それぞれ常勤従業員が商業・サービス業で5人、サービス業の中でも宿泊業や娯楽業に該当するもしくは製造業その他は20人以下の事業所です。

事業計画を策定し、補助事業を実施すれば申請対象になります。いろいろな枠が用意されていますが、小規模事業者持続化補助金は商工会や商工会議所で相談受付をしています。もしわからないことがあれば、商工会や商工会議所に問い合わせてみるといいでしょう。

補助率と補助上限額について

2023年7月時点で、小規模事業者持続化補助金は通常枠・賃上げ引き上げ枠・卒業枠・後継者支援枠・創業枠・インボイス枠6つの類型に分類して募集しています。それぞれの補助率と補助上限額は以下のとおりです。

・通常枠:補助率3分の2、補助上限額50万円
・賃金引き上げ枠:補助率3分の2(赤字事業者の場合は4分の3)補助上限枠は200万円
・卒業枠:補助率3分の2補助上限枠は200万円
・後継者支援枠:補助率3分の2補助上限枠は200万円
・創業枠:補助率3分の2補助上限枠は200万円
・インボイス枠:補助率3分の2補助上限枠は100万円

補助対象経費ですが、想像以上に幅広く使用することが可能です。機械などの設備導入や工法に関する費用、サイト運営費、旅費、資料購入費、オフィス賃料などが該当します。

過去の事例について

小規模事業者持続化補助金の活用事例を見てみると、多種多様なことがわかります。たとえば、すし店が高齢者のためにテーブルと椅子を新たに導入するため、養鶏所が直売所を整備するための費用などが見られます。採択件数は結構多く、補助金を使って販促や売り上げアップに成功したケースも少なくありません。

【公式サイト】小規模事業者持続化補助金 一般型
事務局:株式会社日本経営データ・センター

補助金申請の注意点

ここまで紹介したように、補助金はさまざまな分野で募集しています。補助金は借入ではないので、後日返済する必要がありません。しかし補助金制度を利用するためには、細かなルールにのっとって申請作業を進める必要があります。そのためには、以下で紹介する注意点をしっかり押さえておきましょう。

審査が必要

国や自治体が提供する支援制度として、補助金のほかに助成金があることは何となく知っている方もいるでしょう。両方を同じようなものと思っている人もいるでしょうが、細かく見ると条件が異なります。その中でも大きいのは審査の有無です。助成金は審査なしで一定の要件を満たせば支給されるのに対し、補助金は審査を通過しなければお金が給付されません。

一般的に補助金申請する際には事業計画書を作成し、その内容を審査します。審査通過率は制度や年度によって上下がありますが、大体30から60%が相場といわれています。そのため、申請すれば、そう簡単に補助金が下りるわけではありません。しっかり資料作成して、審査員を「個の内容なら補助金支給しても問題ないな」と納得させられるようなものを提出しましょう。

全額支給されない

補助金申請しても、経費全額支給されるわけではない点も留意しておかないといけません。ここまで見てきたように、補助率に基づき補助金額が決められます。制度によって違いが見られますが大体2分の1から多くても4分の3程度までしか支給されません。つまり、補助率4分の3の場合、審査通過しても4分の1は自己負担になるわけです。

しかも補助率についてもう一点注意してほしいのは、消費税分は対象外である点です。申請した経費の金額が大きければ大きいほど、実質的な補助率は引き下げられる形になります。「経費の4分の3が補助金として手に入る」と思って、無理な投資をしてしまうと消費税分が自己負担になって、経営を圧迫する恐れもあります。

原則後払い

補助金が給付されるのは、基本的に補助事業に取り組んですべて完了させ、その報告を事務局に行い、承認されてその後です。つまり後払いで、実際に経費が発生した段階でいったん自社のほうで全額負担する必要があるのです。

中小企業のような、経営基盤が盤石でない場合、補助金が入ってくると当て込んで身の丈に合わない大金の発生する資金計画を立てると、後々資金繰りをひっ迫させる結果につながりかねません。

そこで補助金申請する際には、普段お付き合いのあるメインバンクに相談するのがおすすめです。補助金が下りるまでの資金融資はできるのか、キャッシュフロー計画も策定して、無理のない資金繰りを優先させましょう。

まとめ

中小企業や小規模事業者を対象にした補助金制度は、2023年現在もいろいろと用意されています。さまざまな事業展開や経済活動に対する補助金制度があるので、自分たちが今後進めようとするもので補助金申請できそうなものはないか、一度チェックしてみるといいでしょう。

きちんとそれぞれの制度内容を把握していないと、せっかく申請しても採択されず時間の無駄に終わることもあり得ます。慎重に内容を吟味し、必要に応じて専門家のサポートも受けながら、より確実に補助金申請が認められるように努めて下さい。

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