ニーズとウォンツの違いとは？知っておくと役に立つ違いを解説！

ニーズとウォンツを理解することは、自社の商品やサービスに対する顧客の満足度を向上させるために非常に重要です。しかし似たような概念なので、どちらがどう違うのか理解が難しい方もいるのではないでしょうか。

この記事でそれぞれのもつ意味やどんな違いがあって、どうして重要視されているのかを詳しく解説していきましょう。

ニーズとは

ニーズは英語では「必要」を意味しますが、マーケティングの言葉では「消費者のもつ欲求」を指し、欲求が満たされていない状態のことをいいます。そして、消費者はどういった方法で欲求を満たすかはまだ決まっていません。たとえば「肩こりを改善したいな」という状態は、肩こりを改善するという欲求を満たすための手段がまだありませんので、ニーズの状態にあたります。

ニーズには欲求を自覚している顕在ニーズと欲求を自覚していない潜在ニーズの2種類があります。ニーズは消費者が欲求に気がついていない状態を欲求に気がついている状態に変換していくことが重要視されます。なぜなら、顕在ニーズの状態にあると消費者がその欲求を満たす手段を求め始めるからです。この２つのニーズの違いを把握したうえで、効果的なアプローチをすることがポイントです。

顕在ニーズ

たとえば「肩こりを改善したい」と消費者が欲求を、自覚している状態のことを指します。こうなった状態の消費者は、自分が思いつくさまざまな手段で欲求を満たそうとするのです。

潜在ニーズ

たとえば「なんだか身体が疲れていて頭が痛いな」と、消費者が欲求に気がついていないことを指します。肩こりにはまだ無自覚です。肩こりに気づくと、肩こりを解消するためのなんらかの手段を探そうとします。

ウォンツとは

ウォンツは英語で「望む」という意味がありますが、マーケティングでいうウォンツとは「消費者の欲求を満たすための手段」という意味があります。たとえば「肩がこった」というニーズに対して「マッサージ機がほしい」という、具体的に欲求を満たすことができそうな手段への欲求がウォンツとよばれるものです。

消費者からの要望はまだ欲求が満たされていない状態の場合もあれば、具体的に欲求を満たす方法を探している場合もあるものです。具体的な欲求を質問やアンケートなどで掘り下げていくと消費者の満たされていない欲求が把握できるようになり、本当に求めていることを察せるでしょう。

さらに消費者が本当に求めていることが分かれば、欲求をより満たしやすい商品やサービスの提供につなげられ、具体的な欲求には3種類あります。

具体的な手段の基本ウォンツ

消費者の欲求を満たすため、商品やサービスなどを求めることを指します。たとえば肩こりを改善したいというニーズに対して「マッサージ機がほしい」ということが該当します。

ほかの手段を探していく条件ウォンツ

上述の欲求を満たしても、うまく欲求を満たしきれなかったときのことを指します。マッサージ機で肩こりが改善しなかったから、本格的なマッサージ機がほしいという例が該当します。

欲求を満たすことを強く望む期待ウォンツ

欲求を満たす具体的な手段を得た際に、その手段で得られる効果に期待するという欲求です。たとえば「マッサージ機は肩こりを改善してくれる」というのが、該当します。これらの消費者の欲求を見極めそれに応じた商品やサービスを提供していくことが重要なポイントになります。

ニーズとウォンツはどこが違うのか

2つの言葉の違いですが、たとえば「肩がこったのでマッサージ機がほしい」という要望で考えると、欲求を満たすための具体的な手段がないというのがニーズの状態です。そして、ウォンツは欲求を満たすための手段なので「マッサージ機がほしい」という具体的な手段の部分が該当します。

これらの関係性を明確に見極めるために大切なのは、代わりになるものがあるかどうかという点です。たとえば「マッサージ機がほしい」というウォンツは、肩凝りを改善するという手段です。しかし、肩こりは温泉に行くことやリラクゼーションルームに行くなどの、違う手段で改善できる可能性があります。

一方で「肩こりを改善したい」という欲求は変えられないものです。どのような商品やサービスを提供しても、最終的に肩こりが改善しなければ、消費者には満足してもらえません。

ニーズとウォンツが重要視される理由

満たされていない欲求をなんとかしたいというニーズと欲求を満たすためのウォンツの関係性は、自社の商品やサービスを利用してもらう上で非常に重要な要素になります。

なぜなら商品やサービスを購入してもらうには、消費者のまだ満たされていない欲求をできる限り正確に把握し、それを解決できる手段として商品やサービスを提供しなければならないからです。そのためには消費者が抱いている具体的でない欲求を欲求を満たす具体的な手段に変換する必要があります。

そして、うまく消費者の抱いている欲求に具体性をもたせるためには、商品やサービスの認知度を高めることが重要です。消費者の欲求を満たす方法はひとつではなく、さまざまな方法があるためジャンルの違う企業が競合になる可能性もあります。

そのため、自社の商品やサービスが欲求を満たすものとして認知されていなければ、欲求を満たすための具体的な手段として選択肢に挙げられることもないのです。

この問題を解決するためにはSNSを運営したり動画広告などを行ったりして、認知度も向上させましょう。そして競合他社との差別化を図ることで、消費者にとって魅力的な商品やサービスが提供できるようになり、消費者の欲求を解決するための具体的な手段として選んでもらえるようになります。

まとめ

本記事ではニーズとウォンツ、それぞれの意味や違いをご紹介しました。また消費者が抱える欲求を解決する手段として、自社の商品のサービスを提供する必要があることも解説しました。どちらもややこしい概念ですがしっかりとした関係性もあります。その関係性を理解して、商品やサービスの提供をすれば消費者の満足度を高められるでしょう。